男子

新年のご挨拶

  星谷 健太朗

ファンの皆様、チームのご家族の皆様、三田バレーボールクラブの皆様

あけましておめでとうございます。男子チーム監督の星谷です。
日頃より、塾バレーボール部へ多大なるご支援ご声援を賜り、誠に有難うございます。2021年に宗雲健司前監督よりバトンを引き継ぎ、4年目に突入しました。

これまでの3年間、コロナ禍で活動自体を満足にできない時期もありました。ようやくスケジュール通りにリーグ戦・定期戦・インカレの試合に臨めるようになり、紆余曲折、多くのことを経験し、学ばせていただきました。慶應義塾にはスポーツ推薦が存在せず、強くあるためには、入試の難関を突破して集まった全部員の力を結集し、チームの可能性を文字通り「最大限」まで引き伸ばすことが求められます。

有難いことに私はVリーグにご縁がありましたので、選手としての経験を伝えることはできます。しかし、指導者としてはゼロからのスタートです。体系的かつ根拠のある指導を目標に、理論を現場での実践に移しています。国の内外・競技を問わず、著名な指導者の書籍や文献を読み漁り、お会いした高校・大学・Vリーグの監督に指導論を伺って回りました。「成長」、「コーチング」、「マネジメント」など、一般論としての知識も同時に身につけてきました。

勤務先のサントリーでは、人事部に所属し、社員育成(課長になる方の研修)に携わり、対象年齢こそ違うものの「人材育成」に必要なことや「組織マネジメント」について学んできました。世界4万人の社員を束ねる経営陣と直にやり取りする機会を得たことはまさに役得であり、自分なりのリーダーシップ論や監督としての振る舞いに活きています。

家庭では、3歳の娘と0歳の息子の父として、10年後20年後の未来を想像しながら子どもたちと接しています。言うことを聞かせて思い通りに動かすのではなく、やる気や自信に繋がる声掛けを意識します。子どもは毎日が成長期ですが、ある日突然歩けるようになったり、箸を使うようになったり、爆発的な変化に立ち会うと、人間に備わっているポテンシャルに驚かされます。チームでは、そういった無限大の可能性を秘めた学生たちと接していることを念頭に、自分らしく挑戦してもらえる環境作りを心がけています。

このように至るところで得た知見を総動員し、試行錯誤しながら指導者として走り抜けた3年間でしたが、僅かな手ごたえはありながら、まだまだ発展途上、まだまだ力不足です。学生達や先輩方の力をお借りすることで、強豪ひしめく関東1部になんとか留まり、首位の早稲田大学を少し焦らせることがやっとです。

2012年・大学3年生時、私は素晴らしい指導者や仲間に恵まれ、全日本インカレで準優勝を経験しました。手を伸ばし切っても日本一には届かない、そのときの景色は色褪せることなく、今もどこかでハングリーさとして持ち合わせています。ご縁あって奇跡的に同じ時間を共にするメンバーと共に、今一度「日本一」を目指し、エンジョイスポーツの価値、文武両道の価値を発信できたらと考えています。

その一番のお手本が、「エンジョイベースボール」を掲げる慶應義塾高校野球部です。昨年の甲子園優勝は高校野球界のみならず、スポーツ界にも大きな影響を与えました。私たちにとっても大変励みになり、解像度高く「日本一」をイメージするきっかけになりました。

日本一までの道のりは、先が長いです。日本一になるには皆さんの応援の力、共に汗を流してくれる新しい仲間の力が必要です。力を貸していただけるよう精一杯努力し、プレーします。試合会場やライブ配信の画面越しで、声援を送っていただけると幸いです。

チームには、プレーで活躍する部員のほか、主務・副務・渉外主務・渉外副務・アナリスト・トレーナー・学連委員などスタッフとして活躍する部員が数多くいます。多様なバックグラウンドを持った個性豊かなメンバーそれぞれがバレーボールへの大きな情熱を胸に、同じ目標・時間・空間を共有して切磋琢磨しています。

私たちの夢に共感し、強い志を持つ高校生・受験生の皆さんを、部員一同でお待ちしています。共に活動できる未来を、楽しみにしています。

末筆ながら、2024年も塾バレーボール部への変わらぬご支援ならびにご声援のほど、宜しくお願い申し上げます。

2024年元日
慶應義塾体育会バレーボール部男子監督 星谷健太朗

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