女子 #日記

3つの言葉

総合政策学部4年  泉川 茉莉

いよいよ2023年も残すところあと10日を切りました。今年、やり残したことがないよう、残り9日でまだ何か楽しいことができないかなという若干の焦りと、新年また新たなスタートが切れるワクワク感が混じった気持ちです。総合政策学部4年の泉川茉莉です。

 

先週火曜日の納会をもって、私たち4年生はバレー部を引退しました。後輩の皆からもらった寄せ書きや手紙を読んでいると、大変だったことも多かったけれど、本当に続けてきてよかったなという思いが込み上げてきます。

 

私はバレー未経験でこの部に入りました。中学高校時代はアラブ首長国連邦(UAE)というところでアクアスロン(トライアスロンの自転車を抜いたもので、泳いだ直後に走る競技)というスポーツをしていました。入部当初はアクアスロンのスイムウェアのせいで太ももの半分から下が日焼けしており、会う人に毎回「それどうしたの?」と聞かれていたのが思い出です。

入部したばかりの頃は練習メニューも一年生の仕事も、バレー用語も、体育会生のマナーもとにかく全てが新しく、ついていくのに必死でした。今考えるとなんだか微笑ましい気持ちになります。二年生の先輩や、先に入部していた榎本(法政4)やすぐ後に入部した岡澤(文4)や高橋(法政4)には随分細かくボールの渡し方からボール拾い、声の出し方、一年生の仕事面での立ち回りまで教えてもらったのを覚えています。

 

当初はパスもろくにできず、サーブは入らないし、スパイクの助走もわかりませんでした。でも、できなくて焦る気持ちよりも、毎日学ぶことばかりで充実感に満ちていた感覚が強く残っています。

 

アクアスロンの日焼けがだいぶ薄くなってきたころには井辺(商4)、君園(経4)、光嶋(法法4)が仲間入りし、頼もしい同期達に技術面でも精神面でも助けられる場面が沢山ありました。学校で大変なことがあっても、バレー部に行くと全て忘れて汗を流す。性格は全く違うし、バレーという接点が無かったら会っていなかったかもしれない人たちと、上手くなりたい、勝ちたいという一心でこれだけ長くの時間を共有できたことは何度考えても尊い経験だったと思います。

 

最後のブログということで、正直何を書こうかと迷いに迷いました。ですが、今後このブログを同期や後輩が読んでくれる時、自分自身が読み返す時に元気が出るよう、私がこの4年間で教えてもらった、人生で大切にしたい3つの言葉について書きたいと思います。

一つ目は「続けること」二つ目は「急ぎすぎないこと」、三つ目は「自分の力」についてです。

 

一つ目の「続けること」は私は一年生の一番辛い時、当時の3年生の先輩だった麻莉子さん(チーム2021主将)に気づかせていただいたことです。初心者だった自分が、毎日新しいことを学び、少しずつバレーのやり方が分かっていくことにやりがいを感じていた一方で、ふとした時に、「自分はこのチームの役に少しでも立てるのだろうか」と思い悩んだことがありました。自分はたくさん学ばせてもらっているけれど、チームのみんなに返せることがあるのだろうか、一体自分はどんな4年生になるんだろうか、この部を卒業するときに自分はチームのどんな存在になるんだろうか、怖さに取り憑かれていた時期がありました。

 

そんな時に、2学年先輩の麻莉子さんに日吉のベンダーに連れて行ってもらいました。タコライスをご馳走していただいた帰り道、麻莉子さんがポロッと「色々辛いことあるけどさ、続けてるといいことあるんだよね。」とあの大らかなにっこりした表情で言って下さった言葉が心に残りました。ご本人はごく自然に言ったことだったのかも知れませんが、私はこの言葉にこれまで何度助けられてきたか分かりません。

 

一番辛い時は正直「もうどうでもいいや」とか「もう諦めよう」という気持ちになってしまうものだと思います。けれど、深呼吸して、「本当にそれでいいのか?」「それで自分は満足なのか?」と考えた時に、「ここで一踏ん張りすれば今は気づいていない何かにきっと気づける。」と思うようになりました。私の場合、投げやりになって「もうどうでもいいや」と思うときは大概の場合、自分の弱さや苦手から逃げたい時です。そういう時こそ、本当はあと少し頑張れば見えることが見えなくなってしまう気がします。もちろん世の中には「もう潮時だ」と思うことが正しい時もあるでしょう。でもそういう判断はあくまでも論理的で冷静でなくてはいけないなと思います。やめたい、しんどいと思ったこともあったけれど、この大学生活でバレーを続けて本当によかったと思います。これからの人生でも、一度やると決めたことは、自分が気づいていない何かがあると信じて、辛くても続けてみる。単純かも知れませんが大切にしたいことです。

 

二つ目の「急ぎすぎないこと」と三つ目の「自分の力」は実はバレーとは関係のない場所で教えてもらったことなのですが、バレー部で活動する中で何度も思い出して、自分に言い聞かせてきたことです。

 

これらのことを教えてくださったのはSFCでずっとお世話になっている大越匡先生と中澤仁先生です。

 

まず「急ぎすぎないこと」です。大学に入ってからというもの、私はできる限りのことを戦略的に進めたいなと考えていました。学業面では将来のためにこういう授業をとっておいた方が良いな、とか「いついつまでにこれをして、あれをして」という計画を立てて、「逆算・逆算」で自分の計画通りに、タスクをこなしていくことに満足感を得ていました。けれど、入部当初、バレーのことが全くわからなかった私は「今週は何が上手くなりたい」「そのためには何を聞かなくちゃいけないな」程度のかなり短期的な戦略しか立てることができなくなりました。自分がどうなりたいのか、そもそもどれくらいならなれるのか、実現可能な目標は何なのかが分からず、途方に暮れた時期もありました。そんな時期にバレーとは関係のない研究相談をしていたときに大越先生に言われたのが「急がなくて良いんじゃない?」という言葉です。正確には「そんなに生き急がなくても良いんじゃない?」です。

 

これまた随分単純な言葉に聞こえるかも知れません。(私が人の何気ない言葉に感動しやすいのは否めません笑)ですが、これはお世辞ではなく、とても深みのある言葉だと思います。私たちはバレーでも、学業でも、きっと仕事でもいつも目標を意識して、そのために何をすべきかを考えるように叩き込まれます。そして、その目標達成の障害になるような出来事・人・環境と言った要素を「無駄」や「失敗」と捉えがちです。けれど、それは今いる場所から目標まで一直線に、最短距離で辿り着こうしているから「無駄」と思うだけなのかもしれません。私の中では「生き急がない」という言葉は、「早く目標を達成する」以上の何かに気づくきっかけになりました。

 

バレーで言えば、なるべく早く上手くなったり、勝利を挙げたりしたいと誰もが思います。だからプレーが上手くできない時や怪我をした時、負けが続いた時を「無駄」「失敗」と捉えてしまうこともあると思います。そんな時、一番最初に考えることは「じゃあどうしたら勝てたのか」「何が悪かったのか」ということではないでしょうか。けれど、そんな場面で「この負けから得たものは何だろう?」「この辛い状況でも、私はすごく成長できている」と考えられることがきっと大事なのだと思います。生き急ぎて、目標達成の妨げとなるものをなるべく速く取り除こうとするのではなく、程よく、自分の足元に転がっている色々な障害物を楽しんでいると、何も無駄ではなくなるのだと、この4年間のバレー部生活が教えてくれました。

 

三つ目に私がこのバレー部生活の中で気づき、ずっとこれからも大切にしたいのが中澤仁先生の「自分の力」についてのお話です。やや周りくどい説明になりますが、お付き合いください。塾生ならおそらく誰もが知っている自己紹介の仕方があります。そうです。

 

塾生注目!(なんだー!)

〇〇高校出身!(名門!)

学部・学年・名前、よろしくお願いいたします!

 

というコールアンドレスポンスです。大学に入って初めてのゼミで、私はその頃この挨拶を知らず、中澤先生に教えていただいたのですが笑 中澤先生のお話はこの「名門」という言葉についてでした。深く考えずに「なるほど、こういうノリで自己紹介するのか」程度に考えていた私は、有名な出身校から来ている人に対して「名門」と言うのだとばかり思っていました。ゼミ生の自己紹介が終わり、中澤先生の話す番になると、いきなり「名門ってどう言う意味か知ってる?」と聞かれました。「名門出身だから?」と私が考えていたそのままを言う人の答えを聞き、中澤先生は「違うんだなー笑」と仰っていました。そして、「名門!」その言葉の意味は、「どんな出身校であっても、これまで通ってきた道は関係なく、これから自分達が出身校を名門にするような生き方をしなさい。」ということなのだと教えてくださりました。

 

私たち女子バレー部は4部に所属し、バレーの名門出身の1部や2部の選手に比べたら技術も体格もかなり違います。けれど、これまでの経験の差で今後の結果がどうなるのかを決めつけないのは「今の自分達の力で、やれることをやっていれば自分達に満足できる」と思うからです。そして、その積み重ねで、バレー名門校出身者はいないかも知れないけれど、誇りを持てるバレー部を自分達で作れると感じさせてくれたのがこの言葉でした。これまでの経験の差や実力の差に捉われず、自分の力を信じること、これからもずっと大切にしたいモットーです。

 

最後に、監督コーチの皆様、今までバレーの技術も知識もないところから、辛抱強くご指導いただきありがとうございました。土日の練習で監督コーチの皆様に練習を見ていただくたびに、「前よりも上手くなったと思ってもらいたいな」と言う気持ちに火がつき、頑張る活力をいただいておりました。皆がワイワイしている時に一歩下がってしまうような性格があり、扱いづらい選手だったのではないかと思います。リーグ戦、慶関戦と戦わせていただいたこと、ずっと忘れません。

 

先輩方、初心者入部をして、何から何までずっと教えていただいたこと、本当に感謝しております。バレーの楽しさに気づけたのも先輩方がいたからです。

 

同期へ、ここまで性格が全然違う7人がこうやって集まったことが今でも不思議な感じがします。この3年強、本当にみんなで成長してきたなと思います。大変なことの記憶がたくさんあるけど笑 いつもみんなでじっくり話す時間が好きだった!これからもきっといつ集まっても変わらない7人なんだろうな〜と思います笑

 

後輩へ、後輩のみんなにはまだお別れは言えないです笑 9月に卒業するまで、4月卒業組より顔を出すと約束しているのでまた練習で会おう!みんながいたから「よし、まだできるぞ」「もっとできる」と思えたことが何度あったか分かりません。ありがとう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。今後の人生でも、このバレー部で見つけた大切なことを胸にしまっていきたいと思います。今後とも塾バレー部へのご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。

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