男子

4人の文殊は4人の凡人に勝てない説

商学部3年  立川 貴一

6月の終わりから暑さが急に増してきました。中高時代のこの時期は、期末テストの時期でした。
試験は午前に終わり、学校に拘束されない時間が増えるため、テスト期間にも関わらず寮生は寮のグラウンドなどで野球に打ちこみます。
友達のホームランボールが寮の窓ガラスを割ってしまったり、サヨナラ勝ちを収めた際にペットボトルの水を掛け合ったりしてはしゃいだり今も大切な思い出です。
勉強しろよはご尤もなご指摘だと思います笑
こうした思い出のように今この瞬間も、数年後に綺麗な思い出として誰かに伝えられるような楽しく充実感に溢れる今にしたいと思う今日この頃でありますが、皆様はどのような綺麗な思い出を持ちいかがお過ごしでしょうか?

最近と言ってもここ2年ほどですが、私の中で認知科学の本を読むことが非常にブームになっております。
長くなりそうですが今日はその中でチーム作りにおいて役立ちそうな話があったので紹介します。

人間の視覚には死角があるように、認知にも死角が存在します。
なぜなら私たち人間は日々膨大な量の情報に接しているからです。
特に現代人が接する情報量は江戸時代の人間の一年分、平安時代の人間の一生分と言われているほど膨大なものになっています。
そのため、私たちは完全な情報を世界から得られないという話はみなさまもご存じの事かと思われます。

一方で求められる処理はどんどん複雑化してきており、分野横断的な知識が要求される場合が多くなっています。
アナリストを例に取ってもデータ解析や統計学とスポーツというものは元々は全く結び付けられていないもの同士だったはずです。

そうした中で集合知という概念が近年盛んに唱えられるようになっています。
簡単に言えば複数人の知恵の融合です。
これは単に賢く優秀な人が集まれば良いというわけではありません。人種、性別、職業などの認知的な多様性がある組織ほど集合知のパフォーマンスは高まります。
なぜならば、先程述べたように人間の認知には穴があり、自分とタイプが異なる人間は自分と認知の盲点が異なるからです。
要するに似たような人が集まっても認知的な枠組みは似通っているので盲点は埋まらないけど、多様な人が集まると認知のカバー範囲は全く異なるので結果的に盲点が少なくなると言う話です。

3人寄れば文殊の知恵と言いますが、同じような人間3人では文殊菩薩には敵いません。
逆に異なる知識を持つ4人が集まれば文殊菩薩4人より賢くなる可能性があります。(文殊菩薩はそれぞれ同じ認知能力を持つと仮定した場合ですが)

認知的な能力とは別ですが、バレーボールを例にとると、攻撃は強いけど、守備が穴という選手を6人集めるより、トータルの実力は劣るが守備が上手い選手を入れた方がトータルでのバランスが良くなり強いチームができるというのはなんとなく直感的に理解してもらえるかと思います。

スポーツの世界でもそれは広がってきており、例えばメジャーリーグのチームのアナリストにはプロ未経験どころか野球未経験者が多く存在します。
また、打撃コーチなどの役職も女性やプロ未経験者、野球自体を未経験な人間が登用される事も増えてきています。
そうしたアナリストの存在で現在野球のデータ解析は日々飛躍的な進歩を遂げており、データ革命が近年何度も起こっております。
私の愛読書「マネーボール」はプロ未経験者の素人アナリストの考えを取り入れたオークランドアスレチックスという貧乏球団が、データ革命によって勝ち進んでいく様が描かれています。

面白いもので現在の野球は細々とした打順を組むよりもより良い打者を早い打順に置いてより多くの打席を打たせる、ホームランを打つ打者がより重宝されると言った全く野球を知らない方の発想に近いようなものが統計学的な正解だと分かり、戦術のベースのコンセプトとなってきています。

また、サッカーのイギリス代表が低迷していた際に代表強化をどうするかといった会議でサッカー関係者だけでなく、他のスポーツの元プロ、軍人、実業家などの多様な人材を招いたそうです。
会議は大きな成果をあげ、結果的にイギリスは代表の強化に成功しました。

ビジネス界においても現在成功している企業の代名詞とも言われるGAFAやNetflixなどは、本業から多少離れた人材、異なる人種や性別の人材を採用して社内の多様性を確保していることで有名です。

こうしたように、スポーツにおいて他競技の人間、素人の人間の見解というのは非常に重要な糸口になり得る場合があります。
そしてそれは多くの人が蔑ろにしがちな部分なので、差別化を図り易いポイントでもあります。

では、本塾のバレー部に於いてはどうでしょう。
バレー経験に於いては強豪にいたものもいれば、進学校のそこまで強くないチームでバレーをしていたもの、海外のチームでバレーをしていたもの、そもそも他競技をやっていたものまでおります。
関東一部の大学を見渡す限り、これほど多様な経歴を持つチームも珍しいかと思います。
一方で我々がこの恵まれた環境を活かせているかと言われると個人的にはまだ活かせる余地があるように思えます。
それはマジョリティ側の聞く耳を持つ姿勢に問題があるのかも知れませんし、マイノリティ側がそもそも主張していない事に原因があるのかもしれません。

ですが私は他大学と本塾で差別化を図れるポイントはここだと確信しております。
ではどうすればそれが図れるか、私はそれを未知なる考えを尊重し、受け入れる誠実さを持つことだと思います。
もっと具体的に言うと相手の発言、行動、考えを理解しようとする姿勢だと思います。
それは非常に難しいことだと考えます。
かく言う私もこうして語っておりますが出来ている自信はないです。
ですが我々の目指す日本一という目標に対してはハードワークは当然であります。
まずは私がその行動を具現化し、周りに発信出来るよう精進してまいりたいと思います。

来たる7月の9日、本塾バレー部は入替戦という絶対に負けられない舞台に臨みます。
負けられない戦いでプレッシャーをきっと感じるでしょうが、そのプレッシャーを乗り越えて勝利を掴んだ暁には一部残留と共にチームとしての大きな成長が待っていると思います。

無観客試合ではございますが、インスタグラムにてライブ配信を行いますので画面越しからの熱いご声援のほどよろしくお願いいたします。

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