男子

気持ちいことはもうしない

経済学部2年  林 賢治

日頃よりお世話になっております。
経済学部2年の林賢治です。

私はディズニーランドに行くのが好きです。あまりディズニー映画は見てないですが、ディズニーに行くと、辛い現実から目を背けることができ、まるで映画の世界に入ったかのような没入感を得ることができます。夢のようですね。
私は異世界漫画を読むのも好きです。好きな展開としては、ある日突然転生して、何の努力もせずに最強の力を手に入れる。そしてその圧倒的な才能ゆえに、周りから期待されたり、チヤホヤされたりして、自分がこの世の頂点であるという優越感を得る。異世界漫画では主人公が敵を圧倒するため、爽快感や全能感を疑似体験でき、読んでいて気持ちがいいです。

「チ。地球の運動について」の担当編集者である千代田修平さんは、上記のような現実逃避的娯楽は、「気持ちいい」ものであると分類しています。また、それとは正反対な現実格闘的娯楽を、「面白い」ものであるとしています。意味がわからないと思うので説明していきますね。
「面白い」とはどういうことか。それは、現実、もしくは限りなく現実に近い何かに対し、一生懸命向き合った結果得られる感動のことです。
スポーツ漫画を例にとるとわかりやすいかもしれません。例えば、スポーツ漫画に登場するキャラクターたちにはそれぞれ葛藤があったり目標があったりします。それらは決して不断の努力なしには乗り越えられず、たとえどんな努力をしたとしても達成することはできないかもしれません。しかし、それらを一歩乗り越えようとする彼らの努力や成長、そして熱い気持ちが我々を感動させるのです。
反対に、何の努力もしないで主人公がレベルアップする漫画や、主人公が成長する過程を描くのが下手な「気持ちいい」漫画に対して、読者は熱い気持ちを抱くことができません。

「気持ちいい」ことと「面白い」ことの違いは、大きく二つあります。一つはいかに現実的であるかどうかです。スポーツ漫画の主人公は、異世界漫画の主人公のように一瞬にして飛躍的に成長することはないです。そして二つ目は、他人にエネルギーを与えられるかどうかです。
スポーツを観戦していると、自然と応援したくなったり、自分もスポーツをやりたくなったりします。私にとっては、男子日本代表や早慶戦がまさにそうです。これらのような試合が終わり、自分自身の現実に目を向け始めるときでも、「自分もまた頑張ろう」という気持ちになるのではないのでしょうか。
逆にもしこれが「気持ちいい」漫画を読み終えた後だったり、ディズニーの帰りだったりしたら、
「現実に戻ってきてしまった。」
「あぁ、また明日から仕事(学校)かぁ。」
というような気持ちになってしまうかもしれません。「気持ちいい」事は、安い感動が得られるだけで、人を心から動かすには向いていないのです。

上述しましたが、早慶戦で私はいち選手でありながらとても熱い気持ちになりました。試合に出てはいませんが、心の底から勝ちたいと思いましたし、出ている選手から沢山のエネルギーを貰いました。そして、私も彼らのように、誰かにエネルギーを与えられる選手になりたいと思いました。それは、笑顔であったり、感動であったり、熱い気持ちであったり、はたまた愛であるかもわかりません。しかし、私は誰かに本気で応援されるような選手になりたいです。
それをするために、現実と格闘し続け、その努力を一瞬たりともやめてはいけません。慶應バレー部には、ポテンシャルはあるけど他大学より実力が劣っている選手が多いことは、春リーグ二部6位という結果を見た時に、これを否めません。現時点での実力が足りないことは、すごく辛いことですが、それでも現実と向き合い、本気で格闘しなければいけません。
私は大学から選手としてバレーを始めたので、スタートが低く、部活内の他の選手を見ていると嫌な思いになることがあります。いつ試合に出られるかもわからないし、もしかしたら大学4年間で試合には出られないかもしれません。結果に繋がらないことをやり続ける事は、狂ってしまうほど難しい事ですが、それでもただ自分にできることをただやり続ける事は結果、もし試合に出られたなら、そのご褒美として、誰かにエネルギーを与えられる存在になりたいです。

乱文失礼いたしました。

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