日頃よりお世話になっております。
法学部法律学科2年の北村日向子です。
雪や雨に見舞われ肌寒く感じる日が続くと思いきや、上着を羽織っていると少し汗ばむような、春の訪れを肌で感じる時期となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
皆さまは「ハリネズミのジレンマ」というものをご存じでしょうか。これは哲学者ショーペンハウエルの随想録に収録されている物語で、心理学者のフロイトがこれを人間関係に例えて用いたのです。私は『ヘッジホッグ』(詞曲/Noz.)という歌を聴いて初めて知りました。近づきすぎれば己の針が互いに傷つき傷つけあい、離れすぎれば親密な関係を築くことは難しい、そのため自分も相手も痛くならない理想の距離を探す。また、ハリネズミの針は威嚇や攻撃のためではなく自分の身を守るために存在するといいます。つまり、自分の価値観や考えを過度に他人に押し付けてしまっては互いに良い結果にはならないし、傷つくことを恐れて行動を起こさないままでいても何も事は進まない、という風にかみ砕くことができます。
私は今までこの「ハリネズミのジレンマ」の状態になりつつあった時期がありました。具体的に言うと、自分が傷つくことがないように他者に過度に近づかないようにするあまりチームに直接貢献することができず悩んでいました。自分が他の部員にしたアドバイスや提案が実は誤っていて迷惑をかけることにならないか、と考えるゆえに自分の中で思うことがあっても言い出せずに終わってしまうことが多かったのです。
チームのためにも自分のためにも、この状況を乗り越えなくてはなりません。
「ハリネズミのジレンマ」を人間において考えたとき、もっとも面白くもあり難しくもある点は、ハリネズミの針には個体差があるように、人によって価値観や感受性も異なることにあります。このことから、「ハリネズミのジレンマ」を乗り越えて互いに傷つけあうことなく良好な関係を築くには、相手の立場に寄り添い、反対に相手が寄り添ってきたときには素直になることだと私は考えました。
そして最近、「ハリネズミのジレンマ」を克服する兆候がみえたが出来事がありました。
先日、弊部は新潟県長岡市の柿崎で開催される3泊4日の練習試合合宿に参加してまいりました。春季リーグを目前にした今、実戦を多く経験する貴重な機会となりました。この合宿においては技術的な課題もさることながら、試合中のコート内での情報共有やベンチからの客観的分析を活かしたプレーなど、チーム内でのコミュニケーションが重視されることにも尽力いたしました。例えば、同じスパイカーから何度も点を取られてしまうときには、ブロックマークの優先順位を考え直したりブロックの位置取りを変えてみたり自分の頭の中で考えることは今まででもできていましたが、それで終わるのではなく仲間に伝えて実行に移すことを目標にしました。また、試合内容に関して思うことがあればなるべく発言するようにも心掛けました。その結果、自分の考えを伝えることの抵抗感が軽減され、同時に相手の方から伝えられたことを実行してうまくいったときの嬉しさがより一層強まったように感じました。
この柿崎合宿を経て、技術面でもコミュニケーションの面でもチームは大きく成長し、互いに高めあう良い雰囲気づくりができました。この成果を合宿の時だけで終わることなく今後も継続して練習を積み重ねてゆけば、春季リーグの目標である4部優勝、3部昇格を実現する一歩になると確信しています。
私事ではございますが、3月2日で部員として初めて練習に参加した日から1年が経ちました。今も未熟で至らぬことばかりですが、改めて入部を快く受け入れてくださったこと、そして今も一緒にバレーボールをしてくださる慶應義塾體育會バレーボール部女子の部員及び関係者の皆さまに感謝申し上げます。
4月には春季リーグを控えております。チームの目標である3部昇格を実現し、怪我なく笑顔で終えられるように、自分がチームに貢献できることを全力で発揮できるよう努力を積み重ねてまいりますので、応援のほどよろしくお願いいたします。
極度な長文、乱文失礼いたしました。
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