日頃よりお世話になっております。経済学部1年の山口快人です。
「憧れるのをやめましょう」
この言葉は、WBC決勝のアメリカ戦の試合前に大谷翔平選手がロッカールームでの声出しで発した名言です。憧れていては彼らを越えられない。この一日だけ優勝するために憧れを捨て、勝つことだけを考えていこう。そんな意味が込められています。アメリカ代表は、バレーボールでいうところの石川祐希選手のような、誰もが聞いたことのあるほどの有名選手たちがそろっており、「豪華絢爛のスター軍団」と称されるほどのチームでした。大谷翔平選手は、チームメイトが対戦相手の選手からサインボールをもらっていたことを知り、チームに問いかけたのだろうと言われています。「憧れるのをやめましょう」この言葉がスター軍団に立ち向かうスピリットをチームに与え、日本を世界一にさせたと言っても過言ではありません。
実は大谷翔平選手も憧れている選手がいます。打者では松井秀喜選手、投手ではダルビッシュ有選手に憧れを抱いているとのことです。大谷翔平選手は、憧れる選手を超えるため、そして自身が自分の理想像に近づくために、高校時代に9×9マスのマンダラチャートを活用したのだと考えます。大谷翔平選手は憧れることが悪いと言っているわけではありません。試合に勝つためには、あくまで憧れる人を超えねばならないということです。詳しくは知りませんが、漫画『黒子のバスケ』でも目標としていた選手との対戦前に「憧れてしまえば越えられない。憧れるのをもうやめる」と同じようなことを宣言するようなセリフがあったと知りました。
「憧れ」について、昨年の自分自身を振り返ってみます。関東一部には、中学3年生の頃に夢見ていた春高の舞台で活躍していた選手が多く在籍しており、私が憧れている選手が何人もいます。その事実が一因、昨年のリーグ戦では、試合前の練習や試合で相手プレイヤーの凄さに圧倒されていました。今思うと、「憧れ」を捨てきれずに試合に挑んでいたと感じています。もちろん「憧れ」を抱き、自身の理想像に向かって練習をすることは非常に大切であり重要なことだと思いますが、試合時は憧れることをやめ、その人を超えなければ勝利にたどり着かないのだということを大谷翔平選手から学びました。今年は「憧れるのをやめましょう」のマインドを持ち、戦う姿勢を存分に出して試合に臨むことを強く考えています。
最後になりますが、来季リーグまで残り2カ月を切っております。技術とフィジカルを強化し、関東一部で引けを取らない実力の慶應を皆様に披露できるよう頑張ってまいります。今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。