男子

共に笑い、共に泣く

商学部卒業生  立川 貴一

平素よりお世話になっております。商学部4年の立川貴一です。
あっという間に11月が終わり肌を刺すような寒さとなりました。

毎年この季節は4年生とのお別れの時期で寒さと寂しさがマッチして、とても悲しい季節でしたがとうとう私達の代がお別れする季節となりました。当初は引退という実感は全くなかったです。しかし最後の練習の際に大槻(総4)と2人で食事した時(初めて私が練習に来た際も大槻と2人で食事に行きました)からやや引退を実感し始めました。そして、納会で去年まで先輩方が貰っていたペナントをいただいた時、その夜同期でカラオケオールした時最後に皆んなで「栄光の架橋」を歌った時など折々を機に徐々に引退を実感していきました。今はとにかく寂しい気持ちでいっぱいです。

最後の活動日誌、書きたい内容も多く悩みましたが、簡単にではありますが私の4年間を振り返りながら私の行動の中心にあった1つのテーマについて述べたいと思います。最後なので字数などは全く気にせず書きまくりますので、皆様におかれましては休憩も挟みながら是非ご覧くださいませ。

1年生の頃の私はと言いますと自分のやりたい事をとにかくやる、やらされる事はつまらないから適当にと言うとんでもない人間でした。特にアナリストの先輩方にはご迷惑と将来への心配を抱かせたでしょう。当時はとにかく自分が爪痕を残す事に必死でした。入部した以上何かを成し遂げるのは使命だという考えのもと、とにかく何かを成し遂げなければという考えが私を支配していました。しかし当時の先輩方の引退を目の当たりにする事で、自分が輝くよりまず先に”このチームを勝たせたい”という想いが芽生えました。それからは自分の行動の軸が自分よりチームの方に向いていきました。コロナ禍で全くと言っていいほど大会ができなかったこの年、今4年生という立場を経験して当時の4年生の先輩方の悔しさや無念の気持ちがどれほどかを多少なりとも理解できました。そうした状況の中でも強くチームを引っ張っていただいた当時の4年生には敬意と感謝しかありません。当時見た4年生の姿は本当にかっこよく、頼もしい存在で、そうした存在になりたいと憧れていました。今年の自分は当時の4年生の姿に少しでも近づけていましたでしょうか。

そして2年生、この当時の4年生には当時のなっちゃんこと小出主将(2022卒)を初めとして大変可愛がっていただいていました。毎週のようにご飯に連れていっていただいたり、サマーランドや旅行など多くの楽しい時間を一緒に過ごさせていただきました。そうした4年生のためになりたいと意気込んでいましたが、体調を崩してしまいました。その関係で先輩方や監督コーチ、和田部長を初めとするスタッフの方々にとにかく迷惑をかけてしまいました。結果的には夏頃から部をお休みさせていただく形となり、大好きだった4年生の先輩方の貴重な公式戦に全く帯同できませんでした。インスタライブなどを通じて画面越しに試合を見ることしかできない辛さや申し訳なさ、無力感等を感じました。あの当時は本当に苦しくて苦しくて今でも思い出すと涙が出ます。

そうした中、2年生から3年生にかけての春になんとか復部することができました。皆んなへの申し訳なさから最初は気まずくて、練習の開始1時間前から記念館には到着してましたがトイレに篭るなどして、フロアに足を踏み入れたのは練習開始の5分前でした。最初はこんな自分を受けいれてくれるのかとにかく不安でした。しかし皆んなは暖かく、いつも通りに自分を迎えてくれました。本当にありがたかったですし、当時のこみあげる感情は今でも忘れることのない記憶です。その時の感動と、2年生の時試合を画面越しで見ることしかできなかった辛さから、私はそれ以降皆んなと”共に泣き、共に笑う”。そんな存在として皆んなの力に少しでもなりたいと考えました。楽しい経験をした時は心から共に笑い、辛かったり悔しい経験をした時は共に泣く。誰よりも熱量を持ってエネルギッシュに試合に臨む人間でありたいそう考えました。それが自分が力になれなかった小出主将の代に対する少しでもの恩返しになれば、そんな気持ちもありました。

それ故にアナリスト席であっても全力で叫び、鼓舞することは自分の中では当たり前のことでした。場所は少し離れていても、コートにたってるみんなと同じ熱量で戦いたかったのです。ただ他の大学のアナリストの皆さんは黙々と作業されてるので、大分浮いてしまってました。しかし、そんな事は正直私にとって気にするに値しない事でした。自分で言うのもなんですがアナリスト席で叫ぶ姿は今年の慶應名物になったのではないでしょうか。笑

こうして4年間を振り返ると大変なことや苦しい事が大半を占めてたなと思います。しかし、この4年間に反省はあるものの悔いは全くありません。全ての経験が私の人生を豊かにし、私自身を成長させてくれたと思います。

“共に泣き、共に笑う”
掲げたテーマの通り皆んなと共に沢山笑い、沢山泣きました。たわいもない話で笑い合ったこと、試合に勝って笑ったこと、大事な試合で負けて泣いたこと、ずっと一緒に帰っていたとある先輩が試合で覚醒して泣いたこと、劇的な試合で勝って泣いたこと。そして最後の早稲田戦で負けて皆んなで大泣きしたこと。その全てが尊い思い出であり、尊い感情です。皆んなと同じ事で笑い合えたこと、同じ涙を流せたことが何よりの幸せでした。

本当にありがとう。

最後に各所にお礼をこの場を借りて言わせてください。

まずはOB、OG、ファンの皆様方
本当に4年間応援、支えてくださってありがとうございました。慶應の皆様方は他大学と比べて共に戦ってくださっている感じが強く、そうした声がとても嬉しかったです。また、部活動を通じて部内だけにとどまらず、部外の方にも感動などのなにかしらの影響を与えられているという実感は自身のモチベーションにもなりましたし、幸せな事だと思います。これからも塾バレー部の応援、ご支援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

星谷監督
コーチとして1年間、監督して3年間のご指導ありがとうございました。元々Vリーグが好きなこともあって、星谷さんがコーチとして来られる際にはなんとも不思議な気持ちでした。星谷さんが監督になってから、アナリストとして求められるレベルがより一層上がったなと日々感じていました。ローテーションを含め、今年のチームが柔軟性をもったバレーボールを展開できたのは、それを決断する勇気を星谷さんが持たれたからだと思います。今年のチームを通じて私はバレーボールの奥深さを感じることができました。また、アナリストという枠組みを外しても星谷さんの思考は勉強になることが多く星谷さんとの会話を通じて私自身が鍛えられていく実感がありました。星谷さんの元でバレーができて幸せだったなと思います。ありがとうございました。

池野谷コーチ
最後の1年間はお会いできる機会が限られていましたが、池野谷さんの考えや仕事の技術など多くのことを教わりました。時には指導者として的確なアドバイスをくださり、時には相談先として学生の悩みなどを聞いてくださりとてもありがたい存在でした。アナリストの大先輩であることから、その姿は自分の目指すべき姿なのかなと感じ参考にさせていただきました。尊敬してます。本当にありがとうございました。

アナリスト同期へ
アナリストという仕事は特殊な仕事なので、その悩みや苦労を共有できる君たちの存在はとても貴重な存在でした。試合会場で語り合った日々は宝物です。時には親しい友人として、時にはライバルとして皆んなと一緒に頑張ること、皆んなに負けないことが自分にとってのモチベーションでした。引退後はライバルではなくなるけど、友人として時々会って皆んなの話を刺激にしながら日々を過ごせたらなと思います。皆んな大好き。

先輩方へ
こんな個性が強く変人な自分は先輩方にとってとっても扱いにくい後輩だったに違いありません。そうした中でもとても可愛がってくれて、何かあった時は助けてくれたり、守ってくれたりしてくださった事には感謝しかないです。一人一人が自分には持っていないものを持っておられて尊敬していました。そんな先輩方の背中を追いかけた4年間であったと思います。特になっちゃん(小出・2022卒)、舜さん(谷・2022卒)、将吾さん(永田・2022卒)、わしさん(安達・2023卒)にはとてもお世話になりました。恩返しができたなんて思ってないですけど、少しは立川が後輩でよかったなって思ってくれてたら嬉しいです。

後輩へ
頼れる先輩だったかと言われるとお世辞でもイエスとは言えないだろうし、迷惑かけっぱなしな先輩だったけど、たっちゃんたっちゃんと逆に可愛がってくれてありがとう。1ミリも先輩だと思ってないと思うけど、皆んなの少しでも役に立てたのなら嬉しいです。君たちの誰か1人でもいなかったら、今年のチームは成り立たなかった。来年期待してます。色々厳しい時期もきっとあると思うけど、どんな時も後悔のないように自分が正しいと思う道を選択し続けてください。そうすれば4年生で引退した時、やってきてよかったという気持ちと、成長の実感があるはずです。

良い機会なので後輩を代表してアナリストの後輩をこの場で軽く紹介したいと思います。 

まずは凛(鍬塚・商1)。
凛は凄く優しくてちょっと控えめな子です。そしてアナリストの中で多分1番まともです、、。笑最初は本当にこの子が続けられるのかなと不安で、定期的に楽しめてるのかなと心配してました。ですが時間が経つにつれて部に溶け込んでいき、それに釣られて僕を煽ってくるようになり、、、、本当に弟のような存在だと思ってました。アナリストの基本的な仕事も部分は早くも完成されつつあるので、何度も本人には伝えていますが今後はそこにいかに”鍬塚凛”としての付加価値を付け加えるかが重要になってくると思います。自分の良さを把握して、それをどうチームに還元するかって事を常に意識すればきっと唯一無二の素晴らしいアナリストになれると確信してます。成長した凛を見られるのが今から楽しみです。

次に一木(法2)。
一木の凄さは後輩力と先輩力のバランスだと思います。後輩として振る舞う時は本当に可愛らしい後輩ですし、その反面チームをビシッと引っ張る時もあってその使い分けの上手さには驚かされます。また、アナリストとしての成長スピードには毎度驚かされます。気がついたらこの作業できるようになってるみたいな事が幾度もありました。その裏にはきっと見えない努力も沢山あったと思いますし敬意を表したいです。一木にはこの2年間散々いじり倒されましたが、なぜか許してしまいまいます、、。笑笑アナリストとして必要な能力とか知識などはもう十分備わっていますし、後は自身の考えを伝える方法をどんどん磨いていくフェーズだと思います。(現段階でも2年生としてはずば抜けてると思いますが)特に上手くいかない時、苦しい時に皆んなに対してどう自身の思いや考えを伝えていくかはチームの命運を握るぐらい重要だと思います。一木がこれからどんな先輩、アナリストになっていくか楽しみにしてます!

最後にひなた(田鹿・法3)。
ひなたの凄い所は話の上手さとバレーボールへの愛情だと思います。話の上手さに関しては一度彼と話せば分かるぐらい、的確なワードチョイスと口調、話すタイミングなど今まで出会った人の中で1番凄いと思います。バレーボールへの愛情も並外れています。大変なんだろうけど、ひなたを見ると「好きこそものの上手なれ」という言葉が浮かびます。アナリストとしての仕事も苦しいよりも先に楽しいが来てるような感じがして凄く自分との違いを感じました。来年は副将も兼任するという事でより負担が増してくると思います。そうした時いかに周りを頼るかが大切になってくると個人的には思います。周りを上手に頼りながら自分の得意な部分をどんどん押し出していけば塾バレー部にその名を刻むようなアナリスト、副将になれるのではないかなと思います。来年は田鹿陽大にご注目!

代表として3人を上げさせてもらいましたが後輩のみんなは全員とても魅力的な人間だと思います。本当に私は先輩として情けないことに後輩の皆んなに支えられてやっていけたと思います。
ほんじゃあの。ありがとう

同期へ
一人一人へのメッセージはうんざりするほどかけてると思うので、全体へ。嬉しい時も辛い時も1番共にあったのは同期だったなと振り返って思います。 みんなの4年前を振り返ると、それぞれがアクが強いというか、皆んな中々の問題児だったと思います。笑笑そうした中で4年生になって皆んな、自分の役割を見つけてまっとうするかっこいい人間になったなと成長を感じました。ミーティング等では厳しい意見を投げかける場面も多かったと思いますが、皆んなを信頼してたからこそ言えました。個性的な8人だったけど、皆んながお互いを思い合ってカバーし合える最高の同期でした。皆んなの同期で本当に良かったと思います。 社会に出たら皆んなライバルであり、一生物の友人です。次のステージでみんなに負けないように頑張ります。いつかまた逢う日まで!ありがとう。

徒然に自分の思いを記しているととんでもない文字数になりました。まだまだ思い出に浸りたいところですが、これからも私の人生は続きます。この4年間はとても幸せな時間でしたが、同時にそれが人生の絶頂期であったと言うのはとても残念なことだと思います。この4年間で学んだことを活かして、新しい世界でより幸せで充実した4年間が過ごせるように精進して参ります。きっと暫くすれば後輩の試合を見に行くことも、練習に顔を出すことも殆どしなくなっていくでしょう。ですが私の中でこの4年間が消える事はありません。辛い時、壁にぶち当たった時、この4年間をふと思い出して頑張る活力にしたり、仕事などのふとした瞬間にこの4年間で得たものが役に立った事を実感する時が来ると思います。そして時折皆んなで会った時には少しだけ思い出話をさせてください。その日が来る時まで部員全員成長し続けてより良い自分で会いましょう。

関わってくださった全ての人に感謝です。
本当にありがとうございました。”さよなら”ではなく”また会う日まで!”

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