男子

タスクフォーカス

文学部3年  山本 昌岳

日頃より大変お世話になっております。
文学部2年、関東学連の山本です。

気温が幾分か上がり、上着が不要な日が少しずつ増えてきてまいりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は、期末試験を終えた1月末時点では新学期が始まることなどまだまだ先の話だと思っていたのですが、気づいたらもう3月下旬を迎えようとしており、来月には4年間の折り返し地点を通過することを考えると、私に大学生として残された時間の短さを痛感させられます。

さて今回は、タイトルにもある「タスクフォーカス」について、最近私が考えていることを書かせて頂こうと思います。前回の活動日誌に引き続き抽象的な内容になってしまいますが、是非お付き合いいただけますと幸いです。

まずタスクフォーカスとは、コントロール不可能な外的要因を意識から排除し、今自分がすべき、及びできることに集中するという考え方です。この言葉は漫画『ハイキュー』でも取り上げられるなど、バレーボールにおいて非常に有用なマインドであるとされております。また、塾バレー部において、辻先生のメンタルトレーニングにて習熟している「いま・ここ・自分」の思考法とも大きく通ずるものだと思っております。つまり、短期的に目標を設定して着実に進歩することの重要性が、科学的にも明示されているということです。

もちろんタスクフォーカスは、バレーボールだけでなく仕事や人生においても役に立つマインドだと思います。私自身、膨大な量の作業をこなす時や複雑な業務を抱えている際にこのマインドを活用することで救われたことがあります。逆に、関知不要なことに気を取られてしまい、100%のパフォーマンスを発揮することができなかった経験も多々あります。従いまして、如何に目の前の状況に集中するかがパフォーマンスの質に直結するかということを、経験的にも実感しております。

そしてここからが本題なのですが、最近私は「タスクフォーカスしやすい環境」についてよく考えます。言い換えれば、どういう環境を整えれば組織の皆がそれぞれのタスクに集中することができるのかということです。そもそもタスクフォーカスは本来、自分にとってノイズに溢れた雑多な環境内で、余計なことに気を取られないようにするための個人レベルの技術の話です。しかし、解釈の角度を変えれば、ノイズが少ない明瞭な環境であれば、自然とタスクに集中しやすくなるということも言えるのではないかと思ったのです。つまり、それぞれが取り組むべき仕事や課題が明確化されていて、組織が最大限にオーガナイズされている状態が望ましいのではないかということです。

バレーボールで例を挙げるとするならば、拾えるボールと、失点をある程度割り切れるボールがあることが、組織としてのタスクフォーカスの良い例だと思います。相手スパイカーの特徴に対してブロックとレシーブのポジションにルールを定めて、拾える確率を最大化した配置で戦うことがディフェンスにおいて鉄則ですが、それでも全てのボールに対応することは不可能です。その上で相手にスパイクを決められた際に、自分たちが守備のルールを守れていなかったことが原因による失点なのか、ルールを守った上でのディフェンスに対して相手の攻撃が上回っていたのかによって、失点に対する受け止め方が180度違うでしょう。これはまさに、チームが組織として、失点というネガティブな事象に対して必要以上に気を取られないようにするという意味でタスクフォーカスだと言えます。

ここで最も重要なのは、組織として守るべきルールが、厳密且つ効果的に定められているという点ではないでしょうか。ルールがきちんと定められているからこそ、失点に対して割り切るべきかどうかという判断が正確に下せますし、逆にルールが曖昧で、チームとしての意図や狙いがきちんと決まっていない状態だと、相手に対して適切に対応することができなくなると思います。

仕事でも同様で、一つの大きな仕事を大勢で分担して処理する時に、どこまでが誰の管轄なのか、分からないことがあった時に誰に相談すれば良いのかなど、コミュニケーションの交通整理が整っているかどうかで、仕事の効率や結果に大きな違いが生まれてくると思います。そういった意味で、組織としてタスクフォーカスするためには、最大限オーガナイズされている状態というのが深く影響してくるのだと思っているのです。

なぜこのようなことを考えるのかと言いますと、現在の学連がこういった部分に欠けていて、私自身が上手くいかずに悩んでいるからであります。誰がどの仕事を担当しているのかという線引きが曖昧で、後輩はどの先輩に質問すればいいか分からないし、先輩も誰に仕事を振り分ければいいのか分からないという状態が多いのです。そうなると、取り敢えず仲が良い人とだけコミュニケーションを取るようになってしまい、そうではない人とやり取りすることがどんどん疎かになってしまいます。それが積み重なった結果、組織としての連携が取りにくくなり、仕事が潤滑に回らないということになってしまっているのです。

私は、残された2年間で取り組むこととして、このような学連でのコミュニケーションの渋滞を解消することを目標の一つにしています。仕事の担当やシステムとしての上下関係を必要に応じて明確化し、守るべきルールを全員の共通認識としてきちんと浸透させるといったことを徹底することで、組織全体の流れを良くしていきたいと思っております。現段階では、この目標に対して何か実行できているわけでも案があるわけでもないのですが、4月から上級生として後輩を引っ張っていく立場になることを自覚して、時間をかけて精一杯取り組んでいく所存です。前回の日誌でも申し上げましたが、OB・OGの皆様方にはご指導ご鞭撻を頂戴できれば大変嬉しいです。

最後になりましたが、春季リーグが目前となって参りました。今年度は新型コロナウイルスに対する規制緩和が実現し始め、有観客試合も昨年度以上に多く行える見通しであります。コロナ禍以前を知らない我々にとってはここから先は未知の領域ですし、まだまだ乗り越える必要がある障壁はいくつもあるものの、大学バレーをより盛り上げるために全力を尽くすことに本当にやり甲斐を感じながら日々準備をしているところです。是非、試合会場に足を運んでいただき、塾バレー部の関東一部での戦いを一緒に支えていただければ幸いであります。

長文となってしまいましたが、ご精読いただきありがとうございます。
それではお体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

コメントはこちらから

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このページをシェアする

当サイトは、以下のWebブラウザでご覧いただくことを推奨いたします。
推奨環境以外でのご利用や、推奨環境であっても設定によっては、ご利用できない場合や正しく表示されない場合がございます。
セキュリティを向上させるため、またウェブサイトを快適に閲覧するため、お使いのブラウザを最新版に更新してご覧ください。
このままご覧いただく方は、「閉じる」ボタンをクリックしてください。

閉じる