日頃よりお世話になっております。
経済学部2年の林賢治です。
我々が普段から常に行っている「待つ」という行為は、実は経済学的にみると非常に重要な行為と言えます。待つという行為を一言で表すなら、それは、今の利得よりも後の利得を優先する行為となるでしょう。例えば、アフリカの一部地域、特にサン族は狩りをする際、獲物を長時間追いかけて疲れさせ、動けなくなったところを仕留めるという手法を用います。これは、長時間による体力消費と時間的損失よりも、後に手に入るであろう食料を優先したと言えます。ディズニーランドで若者が長時間かけて並ぶのも、疲労や時間のロスよりも、のちに得られる壮快な体験がそれらの損失を上回るからです。そして、現代の資本主義社会では特に、時間や金、肉体の経済投資は、当初のコストを大きく上回るリターンを生み出します。従って、富める者が富んでしまう弱肉強食な社会が形成されているのです。つまり、成長するということは、いかに「待てるか」ということです。
我々バレー部は、普段の週6日の練習以外にも、自分らの自由時間をトレーニングにささげたり、食事を制限したり、セルフケアに時間を割いたり、バイトで稼いだお金を部費や生活費に充てたりしながら、目先の利益や快楽と闘争し、後に大成するため自らに投資をしています。
さて、今回の活動日誌では、昨年度をもってご退任なさった星谷監督に感謝の言葉を述べたいと思います。すでにメッセージカードでもお伝えしましたが、僕が星谷さんの好きなところは、1人1人を平等に尊重し、しっかりとみているところです。もし星谷さんが慶應の監督じゃなかったら、もしかしたら僕は入部できていなかったかもしれませんし、こんなに多くのことを学べなかっただろうし、今のように自由にやれていなかったでしょう。これは冗談ではなく、星谷さんが監督だったことが、僕の大学生活での最大の幸運だと本気で思います。
というのも、あなたの考え方に影響されて、私の思想の根幹が完全にひっくり返されたからです。1年生の頃に書いた座右の銘は「過程より結果」でしたが、星谷さんの考え方は真逆で、今ではそれに納得しています。
最近、『チ。-地球の運動について-』を読んでおられるみたいですが、作者の魚豊先生の処女作である『ひゃくえむ。』に出てくる、財津という私の好きなキャラクターがこんなことを言っています。
「試合前、私は敗北を恐れず内容を重視する。同時に敗北に震え、何よりも結果を欲する。半々で考えるということではなく、両方同時に100%で享受している。いかなる場合でも緊張を楽しむためだ。」
これこそ、まさにFlowDoitではないでしょうか。
2年間、私もあなたをみて学んできましたが、星谷さんはご自身の使えるリソースを全てバレー部に捧げておられていました。部員全員に当事者意識をもっていて、一人一人と向き合っておられましたが、正直言ってあなた以外にそんなことができる人はいないと思います。もちろん、何かしら間違えたり、至らぬところはあったでしょうが、星谷さんは、ご自身にできることはすべてやっていたと思います。本当に尊敬しています。これ以上の監督はいないです。それでも、世の中は残酷なもので結果はふるいませんでした。そして、残酷ながら星谷さんは「待たれ」ませんでしたね。
話は変わりますが、ひと月前くらいに、1年の重枝(経1・L)がこんなことを言っていたのを覚えています。
「星谷さんがくれるアドバイスはどれも高次元すぎて、最初そのアドバイスを聞いた時は、何言ってるんだろうこの人、絶対そんなわけないじゃん、と思って、ある種の呆気、憤慨に似た感情が沸き起こって、その助言を少し無視してしまうのだけど、のちに自分が成長し、視座が上がった時に、ふと記憶の中から飛び出してきて、あの時の提言はこういうことだったのか、と納得させられるんですよね。」
これには私もすごく共感しました。しかし共感してしまうということは、アドバイスをもらったのにも関わらず遠回りをして、ようやく行き着いた先が同じ結論だったということなので、正直悔しくて共感したくなかったです。
私は試合に関わったことがなかったので、出ている選手たちに言っていた提言を自分なりに咀嚼することしかできませんでしたが、あなたの意味不明な言動を今でも沢山覚えていますし、いつかのために自分の中で大事にしています。
先日、修球杯ではじめて試合にでた時、バレーボールをやっていて本当によかったなと思いました。未経験で大学からはじめることはすごく怖かったですが、体育会に入って本当によかったです。私を入部させてくださり本当にありがとうございます。星谷さんが監督で本当によかったです。
残念ながら星谷さんは退任されてしまいますが、完全に切り替えて、新しい体制、新しい監督、与えられた環境で、自分にできることを精一杯やりたいと思います。星谷さんも、すでにされてるとは思いますが、現状を解釈し、使命をまっとうして下さい。応援しています。2年間ありがとうございました。
p.s. 院進と就活で迷っているとお伝えしましたが、院進すると決めました。お時間ある時、ご飯行きたいのでどこかのタイミングで誘います。待っていて下さい。
乱文失礼しました。
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