日頃よりお世話になっております。
法学部法律学科１年の宮久保麻央です。
日吉の銀杏も散り始め、いよいよ冬が始まろうとしていますが皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
私は先日小学生ぶりにインフルエンザに罹患してしまい、体を動かせずなんとももどかしい５日間を過ごしておりました。

部としてはこのところは基礎力向上を図り基礎練習に励んでおります。基礎練習は、言ってしまえば地味な動作、同じ動作を何度も繰り返し、しみついてしまっている癖を改善したり、今まで持たなかったスキルを身に着ける練習です。今の期間をどれだけ有効に練習できるかで数か月後、半年後、ひいては数年後の結果に大きく影響するということは言うまでもありません。しかし、応用ではなく根本に焦点を当てるからこそ、自分のできないことを突き付けられるものでもあり、自分に失望する瞬間も絶えません。頭ではこういう動作をするべきだ、と理解していてもいざボールに触れた時それを実現できない自分自身に何度も腹が立ちます。そのたびに、努力が足りない、もっと努力をしなければ、という思いが頭に浮かびました。まだプレーヤーとして、努力をする者として未熟な私は、努力・努力・努力、この言葉を唱えるだけ唱えて、できない自分に焦って、を繰り返し、努力って何なのだろうという考えがちらつき始めていました。しかし最近になりふと自分は「努力の仕方」をわかっていないのではないかと考えました。そのため今回は「努力」そのものについて自分の考えを煮詰めてみようと思います。

まず努力という言葉の定義としては目標のために心身を労してつとめること、となります。努力を言い換えようとするならば、例えば「休まず頑張ること」「最も効率の良い方法を探すこと」などきっとどんな言葉でも間違いではありません。では現在の自分に足りて
いないのはどのような努力なのかを考えると「今目の前に見えていないものを信じること」と解釈するのが最適解に感じられます。

今の私は、ひとつ意識してみて、意識してやってみてもできなくて、できなかった・今意識したことは間違っていたんだ・意味がなかったんだと完結させてしまうか、なんでできないんだろうどこに原因があるんだろう、と今目の前に見えていることばかりに目を向けており、続けることでようやく結果が出るものだという長期的な視点を失っていました。
もはや一般論ではありますが、努力は一回きりの行動のことを指す言葉ではありません。継続して、つらくても不安でも耐え続けることを指すものです。最近の私はそんな当たり前のことを忘れてしまっていました。

自分の積み重ねを信じず、あきらめて手前の段階でやめてしまえば成長できるものもできません。がむしゃらに挑戦してみることも悪い部分を分析することももちろん必要ですが「今はまだできないけれど、続けていればできるようになるから諦めず継続しよう」という忘れてはいけない意識が努力のベースにあるのだと思います。

『結果は一朝一夕では出ない』『努力して得られる成果は、大きな一回の変化ではなく、今の意識一個・動作一個が積み重なったものである』
これらは練習をするうえでよく聞く言葉ですが、一度自分自身で迷ってみて、こうして努力の仕方や意味を考え直してみた今初めて真に理解できた気がしています。何かを頑張っている者・努力をする者にとって、欲しい結果がいつ訪れるのかは不明確で不安になるときもありますが、自分は今成長過程の真っただ中にいるのだということを焦らずに俯瞰していたいものです。

ただ同時に、継続をしても結果が保証されないのも残酷ですがまた事実です。そのため続けることだけで満足せず、試行錯誤と、結果を出すための最短ルートを追い求める貪欲さをも併せ持つことが上手な努力の方法であり本質なのではないかと思います。

おそらく、この先努力の解釈は自分の変化とともに変わっていくでしょう。今の考えがどんな状況の誰にも当てはまる絶対の答えだとも思っていません。むしろいつまでも見えていないものを信じることばかりにとらわれているようでは困ります。ここでもまた次の段階があるはずです。けれど一旦は「努力とはまだ見えていない結果を信じること」を自分の指針にし、前を向いて練習に励みたいと思います。そしていつか結果を出し、努力ができる人間、努力の仕方を知っている人間に成長したいと思います。

最後にはなりますが、今年は「10年に一度のインフルエンザ大流行」とも報じられております。実際に罹患して苦しんだ一人として、どうか皆様もご自愛ください。

長文・乱文失礼いたしました。