男子

足るを知る

環境情報学部2年  緒方 哲平

日頃よりお世話になっております。
環境情報学部2年の緒方哲平です。

秋学期も本格的に始まり、勉強と部活を両立させる大切な時期となりました。限られた時間を有効に使い、練習にも集中して取り組んでいきたいと思います。

今回の活動日誌では、私が中学3年生の頃に現代文の先生から教わった「足るを知る」という言葉について考えを述べたいと思います。

「足るを知る」とは、中国の老子の『道徳経』に由来する言葉で、「足るを知る者は富む」と示されているように、現状を十分だと理解し感謝することで精神的な豊かさを得る生き方を指します。物質的な多さではなく、今ある環境や人間関係、日常の中に価値を見出すことで心の安定と幸福を得られるという考え方です。現代社会においても、自分の成長を認め、他者と過度に比較せずに生きる姿勢として大きな意味を持つと言えるでしょう。

当時の私は、この言葉にあまり共感できませんでした。バレーや勉強に励む毎日で、「もっと練習しなければ」「もっと勉強しなければ」と自分を追い込んでいたため、「足るを知る」はむしろ成長を妨げるのではないかと感じていたからです。

しかし、学びを重ねる中で気づいたのは、「足るを知る」とはすべての欲望を抑えることではなく、現状を肯定しつつ向上心を持ち続けるための土台となる考え方だということです。スポーツや勉強では「もっと上手くなりたい」「もっと知識を深めたい」という欲望が成長の原動力となりますが、同時に「今の自分はここまでできている」という肯定的な視点がなければ、過剰な自己否定や焦燥感に陥る危険もあります。だからこそ大切なのは、現状に感謝して心を安定させる姿勢と、そこに安住せず次の目標へ挑戦する向上心、この両立だと考えるようになりました。

私は13年間バレーボールを続けてきましたが、今が最もバレーボールに打ち込んでいる時期だと感じています。練習の合間にも遠くのビーチへ出向いたり、塾バレー部以外の仲間と試合をしたり、この夏休みは「睡眠4割・バレー3割・その他3割」という生活を送るほど、日常の中心にバレーがありました。

今の私は、まだ過剰な自己否定や焦燥感に陥ることなく、がむしゃらにバレーボールに打ち込めています。これからも「足るを知る」で心を安定させながらも、「足るを知らず」に努力を重ねる姿勢を大切にしていきたいと思います。

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