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私の研究について

環境情報学部2年  緒方 哲平

日頃よりお世話になっております。
環境情報学部2年の緒方哲平です。
皆さん、暑さに負けず元気にお過ごしでしょうか?私は冷房と扇風機に全幅の信頼を寄せて、この夏を乗り切る所存です。

今回は、私が現在取り組んでいる研究についてお話ししたいと思います。少し退屈に感じられる内容かもしれませんが、興味を持っていただけたら嬉しいです。
私の研究では、バレーボール選手が試合中に非常に高い集中力を発揮するフロー状態について、その発現条件を探っています。フローとは、人がある活動に完全に没頭し、集中し、時間の感覚さえ忘れてしまうような、非常に充実した精神状態のことを指します。
具体的には、試合状況や選手の心理的準備、チームの雰囲気といった要因に注目し、アンケートを通じてデータを収集・分析しています。目指しているのは、競技中の集中やパフォーマンスのしくみを明らかにし、より良いチームづくりや選手支援に役立てることです。

そんななか、先日メンタルドクターの辻秀一さんをお招きし、慶應バレー部でメントレ講座を実施していただく機会がありました。そのお話が私の研究と重なる部分が多く、深く印象に残っています。今回は、そこで得た気づきについても交えながら、研究の楽しさをお伝えできればと思います。辻さんは、スポーツや日常における「心の状態」がパフォーマンスに大きく影響することを強調されていました。特に印象的だったのは、「外的な状況に左右されず、自分のいい状態を保つことの重要性」です。これは、私が研究している状態、極限まで集中できる精神状態と強く重なる考え方でした。

実際、私の研究では、大学バレーボール選手がどのような状況や準備、チーム環境においてこのような集中状態に入りやすいのかを探っています。辻さんのお話を聞いて、フローとは偶然訪れるものではなく、「整えられた心の習慣」によって意図的に生み出すことができるのではないかと、確信を深めました。
さらに、「フローは才能ではなく、誰もが後天的に身につけられるスキルである」という辻さんの言葉も心に残っています。私は以前、フローとは特別な瞬間に偶然訪れるものだと思っていました。でも辻さんは、「まず自分の感情に気づくこと」が第一歩だと語っておられました。その気づきを日々意識し続けることで、徐々に感情を整える力が育っていく、この考え方は、私にとってとても新鮮で、大きな気づきでした。

このような心のトレーニングを通して、自分の状態を意識的にコントロールできるようになる力は、バレーボールのパフォーマンスだけでなく、勉強や仕事、人間関係といった様々な場面で活かせる。つまり、これはストレスマネジメント能力の向上にもつながるのだと実感しています。

私が研究しているフロー状態というテーマは、バレーボールの試合だけでなく、日常生活の中でも感じる場面があります。たとえば、ふと「今なんだか不機嫌だな」と気づいたときに、「どうしてそう感じているんだろう?」と自分を客観的に見つめ直すことがあります。すると、「あの出来事が原因だったのか」「じゃあ、こう行動してみよう」と、自然と自分の心を整える流れができてくる。そうしたプロセスがうまくいったときに、「これが自分の研究しているフローに近いのかもしれない」と実感する瞬間があります。

その瞬間、学問と日常が結びついたような面白さ、そして知的な喜びを強く感じます。知識をただ得るだけでなく、それが自分自身の体験として活かされる、そのつながりに気づいたとき、「学ぶことって面白い」と改めて思えるのです。
スポーツと学問、どちらにも真剣に向き合うことで、お互いが相乗効果を生み、自分の成長を感じられる。今、私が文武両道の中で一番魅力を感じているのは、まさにこの点にあります。

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