平素より大変お世話になっております。
商学部3年の松山鼓太郎です。梅雨も明け、本格的な暑さが続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて本日は、私が最近繰り返し読んでいる『GRIT』という本について、僭越ながらご紹介させていただきます。
私がこの『GRIT(グリット)』という本に出会ったのは、就職活動を本格的に始めた今年の春のことでした。第一志望企業の社長がインタビューでご紹介されており、その言葉に興味を持って手に取ったのがきっかけです。もともと私は読書が得意ではなく、学生時代を通じて読書とは縁遠い生活をしてきました。しかし、この本だけは読み進めるうちに自然と引き込まれ、気づけば何度もページをめくっている自分がいました。
『GRIT』では、「やり抜く力」こそが、才能やIQ、家庭環境といった先天的な条件を超えて、人の成功を決定づける最大の要素であるという考えが、著者のアンジェラ・ダックワース氏によって展開されています。特に印象に残ったのは、「情熱」と「粘り強さ」という二つの要素がGRITの本質であるという点です。好きなことを一貫して追求し、困難があっても途中で投げ出さず、長期的に努力し続けることが、最終的に成果を生む——この考えに、私は非常に強く共感しました。そして、読み進めるうちに気づいたのは、「これはまさに自分がこれまで無意識に大切にしてきた姿勢なのではないか」ということでした。
これまでのバレーボール人生は、決して順風満帆な道のりではなく、幾度となく困難や挫折を経験してきました。中でも象徴的だったのが、昨年度の早慶戦において、主力として出場することが叶わなかった出来事です。それまで積み重ねてきた努力が実を結ばず、悔しさと無力感に苛まれました。しかし、「このままでは終われない」という強い思いのもと、自分を根本から見直し、基礎練習を徹底するところからやり直しました。華やかさのない地道なメニューであっても、一つひとつに真剣に向き合い、自分自身と粘り強く向き合い続けました。その積み重ねが少しずつ自信と技術向上に繋がり、今年の早慶戦では、これまでで最も楽しさと手応えを感じながらプレーすることができました。この経験はまさに、「情熱を持って物事に取り組み、それを継続し続けることで成果が生まれる」というGRITの核心を体現したものであり、本書を通じて自分自身の価値観が言語化されたように感じました。
「才能の差は努力の差。努力の差は継続の差」という言葉を、私はこの経験を通じて実感しました。そしてこの言葉こそが、私の原動力であり、GRITが私に与えてくれた最も大きな学びです。自分の弱さや限界に直面したときこそ、「やり抜く力」が真価を問われる。だからこそ私は、これからの人生においても、困難から目を背けず、粘り強く挑み続ける人間でありたいと強く思っています。
『GRIT』は、自身の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊です。もしご興味がありましたら、ぜひお手に取っていただけましたら幸いです。
乱文失礼いたしました。