日頃よりお世話になっております。法学部法律学科2年の稲井正太郎です。最近は35℃を超える日があるなど、外にいるだけで身の危険を感じるような暑さですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私たち塾バレー部員は、1ヶ月後迫った期末試験に焦りを感じ、記念館とメディアセンターを行き来する生活を送っております。
さて、一ヶ月ほど前のこととなりますが、日吉記念館にて第89回早慶バレーボール定期戦が行われました。結果は伴わなかったものの、バレーボール人生の中で貴重な経験をさせていただきました。会場まで足を運んでくださった方々、配信を見てくださった方々、そしてこの舞台を大成功に収めてくださったスタッフの方々全員に、心から感謝しております。本当にありがとうございました。
ちなみに、先ほど「貴重な経験」と申しましたがこれは決して良い意味だけではありません。今回は早慶戦の私自身の「裏話」のようなものをさせていただこうと思います。
結論から申し上げますと、人生で最も「何もできなかった」試合でした。自身2回目となる早慶戦。今回は前回とは全く違った状況でした。去年とは違いホームでの試合、壮大な演出や史上最高数の観客動員数、私自身の右肘の故障、さらに最も大きい要因は去年は試合開始3分前にスタメン発表をされましたが今年はすでに試合出場が決まっていたこと、そして去年の早慶戦でのありがたい活躍による多方向からのプレッシャーにより試合前日、極度の緊張状態に陥りました。もちろん1年で1番大きなお祭りに対する高揚感もたくさんありましたがさまざまな不安や怖さが優っていたと感じます。それにより思うように寝付くことができず結局その日の睡眠時間は1時間半。スポーツにおいて睡眠というものの大切さをわかっているがゆえに寝たくても寝られず朝を迎えた時の絶望感は忘れられません。それでも大量のカフェインを摂取し死ぬ気で臨んだ試合、結果は想像に易いでしょう。あれだけの大舞台にも関わらずアドレナリンが出ず、チームで大事にしている、「flowになる」こともできず、それでも他の皆はどんどん先へ進んでいき、試合中必死にみんなについていかないと、という気持ちでいっぱいでした。そして自分の力を出しきれずに不完全燃焼で終わってしまいました。
今回の早慶戦は今までの長いバレー人生で初めての感覚でした。私は試合中に焦ることがなく、いつでも客観視できる「冷静さ」が強みだと思っていました。しかし今回大一番の大舞台でいとも簡単に私のメンタルは破壊されてしまい力が発揮できなかったわけです。これにより私は「メンタルケア」の大切さに気づきました。「心技体」という言葉があるように、スポーツにおいて「心」の状態は、「技」や「体」と同様に、競技力に大きく影響します。私自身まだまだ心身ともに成長途上であり不安定であるため、時には仲間に助けてもらったり自身でも呼吸法やルーティン、イメトレなどを勉強したりして、より強い、どんな状況にも打ち負けない強い人間になりたいと考えています。
今回のトラウマとも言えるような悔しさを糧に慶関戦、秋リーグ、全カレに向けて技術面、精神面共に大きくレベルアップしていきたいと考えております。
今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。乱文失礼いたしました。