男子

常識破りが俺らのセオリー

文学部2年  玉島 弘之

「常識破りが俺らのセオリー」

 日頃よりお世話になっております。
つい4日前に20歳を迎えました、文学部2年の玉島弘之と申します。

 先日、バスケットボール部の早慶戦を観に行きました。国立代々木競技場という大舞台で行われた伝統の1戦は、まさに手に汗握る名勝負だったといえるでしょう。ビッグプレーが生まれた際に湧き上がる歓声、選手たちを後押しする圧倒的な応援、そして何より戦う選手たちの闘志あふれる姿。どれをとってもやはり、スポーツには我々を魅了する熱さがあるように思いました。塾バレー部も今週末に早慶戦を控えております。来てくださる観客の皆様に素晴らしい試合をお見せできるよう、精進してまいります。

 私にとって2回目の春リーグが終わりました。結果としてみれば、二部6位、戦績は6勝5敗と受け入れがたいものでありましたが、個人としては殻を破ることができたリーグ期間であったと考えております。リーグ戦中盤までは、私は試合のメンバーに入るか入っていないか、自分のプレーが上手くいったかミスになったかなど結果に固執してしまう傾向にありました。それゆえ、失敗を引きずってしまい、我々が掲げる「フローの精神」を体現できないことも多々ありました。しかし、それでは自分のプレーができなくなることに加え、結果だけを見て「あの時こうしておけばよかった」という後悔だけが残ってしまいます。そこで私は結果にこだわるのではなく、日々の練習で自分が最善を尽くしたかどうかに意識を向けることにしました。私の中での最善の選択とは、自分が納得するプレーの選択やチームが勝つために果たす自分の役割など様々な意味があります。例えば、春リーグ期間では前の人がサーブをミスした後に、怯えずハードヒットしたサーブを打ち込むなどといったことを意識してきました。そういった意識の積み重ねが、リーグ戦が終盤に行くにつれて自分のプレーの質を高め、何より自信をもたらしてくれたように思います。それに加え、勝利や成功を第一にするという事は一見すると当然かもしれませんが、かえってその執着が自分の成長を妨げてしまっていることもあると理解することができました。いわば、「結果主義」から「最善主義」へと自分の中での常識を打ち破れた約2か月間でした。

 こうして考えてみると、常識は守るべきものでありながらも、また破られるためにあるように思います。私の尊敬する東レアローズの西本圭吾選手は、自身のインタビューで、「スポーツ選手というのは何が1番大事かって、常識を覆していくことに意義がある。」と発言しておりました。彼は189㎝という小柄なミドルブロッカーでありながら、SVリーグでブロック賞を受賞しました。ライバルには、日本代表や200㎝以上の選手もいる中で、最も素晴らしいブロッカーとして輝きを放ったのです。彼が与えた衝撃は多くの小さなバレーボーラーに勇気を与え、エネルギーをもたらしたことでしょう。そして、スポーツの中には、このような常識が覆る瞬間がたくさんあります。それが人々に感動を与え、熱狂を生み出すのであり、スポーツの醍醐味なのではないかと私は考えております。塾バレー部は、2日後に早慶戦を控えております。今年度の早慶戦は、早慶双方の優秀なスタッフ陣の運営により、前年度にない様々な演出が行われるようです。私は当日に観客の皆様と同じように感動を味わいたいため、詳細なことはうかがっておりませんが、今年度の早慶戦は皆様の心に残る特別なものとなることを確信しております。特に航大さん(林・商3)の手掛けた入場演出は入場する選手側として、とても楽しみにしております。ぜひご注目ください。柊さん(山木・文4)をはじめとしたスタッフの方々が、「大学バレーは春高やVリーグと違って人気がない」という常識を打破すべく作り上げた早慶戦という舞台で戦えることに感謝し、我々と応援してくださる皆様で最高の早慶戦を完成させることができることを心待ちにしております。傍から見れば、塾バレー部は関東二部6位、対する早稲田さんは関東一部の王者であり、下馬評では早稲田の勝利だと感じる人も少なくないでしょう。しかし、我々にとって早慶戦は、関東一部の王者と戦い、その圧倒的熱狂の中で勝利するチャンスです。「勝てない慶應」という常識を打破すべく、残りの2日間の練習に全力で取り組んでまいります。
皆様にも「当たり前を超える」慶應をその目で感じていただければと思います。

 それでは、6/8、日本で1番熱い舞台、日吉記念館でお会いしましょう。両校のPRIDEを懸けた伝統の1戦により多くの人が足を運んでいただき、その心が熱くなる瞬間を味わっていただければと思います。

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