男子

早稲田を倒したかった。

経済学部4年  細野 一真

日頃よりお世話になっております。
慶應義塾大学経済学部4年・2024年度慶應義塾体育会バレーボール部主務を務めました細野一真です。

皆様いかがお過ごしでしょうか。もう12月も中旬で、街中では「良いお年を」という言葉が聞こえ、年の瀬を感じております。12月10日に納会を終えてから数日が経ちました。後輩たちが記念館で練習していながら、私は私服で町を歩いていることに戸惑いを感じておりますが、それと同時にこれからは同期がそれぞれが違う道に進み活躍する姿を見られることに期待感を抱いています。

全日本インカレで早稲田に敗戦した際も、納会で正式に引退した際も私は涙を流すことはありませんでした。周りからは冷めていると思われているかも知れませんが、私の長所は常に冷静でいられる性格です。冷静とは「冷たく静か」という字ですので、冷たい性格なのかもしれませんが、心のうちには熱い想いを秘めていますので、その想いを語るのは恥ずかしい限りですが、せっかくの機会なのでここに記したいと思います。

”最後の活動日誌”とは何が正解なのでしょうか。先輩方や同期の活動日誌を読むと大体はこれまでのバレーボール人生を振り返って、その後に感謝を述べるパターンです。この型通りに書くのはおもしろくないので、まずは私からの教えを記したいと思います。

「4年間粗相ゼロを達成した私からの教え」

私は4年間で遅刻や活動日誌の提出遅れなど全ての粗相をゼロで抑えました。こんなことは当然だと思いますし、皆さまも同意かと思いますが、実はとある1個上の先輩には両手で数え切れないほどの粗相をしながらも素晴らしい主務としてご卒業された方もいます。このように粗相が無くならないのも現実です。では、なぜ粗相ゼロで終えることが出来たのかを振り返り、後輩の参考にしてもらえればと思います。

1番大切なことは不必要に心配をすることです。

いつもふざけてばかりで何を考えているか分からない私かと思いますが、実はとても心配性です。遅刻を防ぐという点では、初めての試合会場に行く時などに特に心がけていたことがあります。今年度最も遠い試合会場であった東松山に行く際には乗り換えが3回ほどありました。その全ての電車が遅延するかもしれないと不必要に心配をして、最寄駅に約2時間前には着くように電車案内を検索するようにしていました。大体の場合は遅延が起きないので、予定通りに2時間前に到着し、1年生よりも早く着くことがあります。このように過度に心配することを心がけていました。遅刻以外にも、忘れ物が無いかななどと過度に心配していました。その基準を当たり前だと思えるようになれば自然と粗相も減るはずです。

とは言いつつもここまでする必要はありません。4年間を振り返ってみると、粗相をしてる人は4年間し続けますし、しない人は4年間しません。なので粗相してしまう人は何を気をつけても結局は粗相してしまうと思いますので、罰則から耐え続けるバレー部生活を頑張ってください。

(ここだけの話ですが、実はバレていないだけでサボったり粗相もしていました。バレていないのも不必要に心配性なおかげかもしれません。)

次の教えは、
「とにかく発言・行動すること」

これは先日のメンタルトレーニングで話し合いを行った際に感じたことなのですが、後輩がどう考えて物事をどう理解しているのかが分からなかったのです。15人くらいの大人数で話し合いとなると1人が発言しなくてもどんどん話は進みます。しかし、その人にとっては全く成長しない時間になっていたと感じました。ある後輩は自分が考えていることをとにかく発言してくれて、それに対して先輩として意見が言えたりととても建設的な話し合いとなりました。このように正解でも不正解でも良いのでとにかく発信すること、そしてそれを真っ向から否定するのではなく、受け入れ、自分の意見も言うということが大切だと感じています。今のバレー部では、大多数の意見が正しい的な雰囲気や、部員同士ではたくさん話すのに外部の人間が来ると急に話さない人が多くいると感じています。もっと積極的に発言し他人の意見を受け入れて自分ごととして捉える人が増えるとさらに良いチームになると感じています。

ここまでが私からの教えですが、活動日誌の型にハマりたくなくて書いた文章ですのであまり参考にしないで問題ございません。

では、ここからは最後の活動日誌っぽいことを書きたいと思います。まずはこれまでのバレーボール人生を振り返るところですが、実は私のバレー部に対する思いは「早稲田を倒すのが俺の人生」という以前の活動日誌に書いていますのでぜひ一読していただければと思います。

しかし、このリンクを踏んで読むような物好きもなかなかいないと思いますので、ChatGPTに要約してもらった文章を貼っておきます。

「この文章は、早慶バレーボール定期戦の開催に向けた意気込みを述べたものです。筆者は慶應義塾大学経済学部の4年生・細野一真で、早慶戦に向けての準備に感謝しつつ、自身の成長や目標を語っています。筆者は慶應に囲まれて育ち、バレーボール部に入部することを目指して努力してきました。これまで3回の早慶戦を経験し、特に父親が病気で試合に来られなかった2年時の早慶戦は強く印象に残っています。筆者の最大の目標は「早稲田を倒すこと」であり、それを達成することが卒業の条件だと考えています。今後も全力でチームを応援し、早稲田に勝利して一緒に「丘の上」を歌うことを誓っています。最後に、父への思いを込めて勝利を誓っています。」

私は父の影響で早稲田を倒すためにバレーボールを始め、ここまで10年間没頭してきました。全ての努力は早稲田を倒すために行なってきました。しかし、大学4年間で幾度も対戦しましたが1度も勝つことが出来ませんでした。

悔しい限りです。

以前の活動日誌にも書きましたが、早稲田を倒さなければ卒業出来ません。本当は卒業したくありませんが、体育会活動は4年間と決まっているため、現役部員として戦うことはできません。先日の納会で後輩に伝えましたが、私のこの夢を叶えてくれるのはもう後輩しかいません。いつも迷惑かけてばかりの先輩だったかもしれませんが、早慶戦の時は少しは細野先輩のことを思い出して、勝利を掴み取って欲しいと思います。

これまでのバレーボールライフを振り返ってみると様々なことがありました。

監督の方々へ。
1番反省しているのは、普通部・塾高・大学とお世話になった監督方に多大なるご迷惑をおかけしたことです。スカした性格の私は叱られても素直に認めることが出来ずに常に反抗して己を貫こうとしてました。普通部時代には細野くんが主将やるんでしょと思われていることに反抗したくて、あえて主将はやりたくないと思いました。塾高時代では叱られてもいるのにも関わらず、そりゃ監督だから叱って当然だよねと、もう分かってるからそんなに怒らなくても良いよという態度をとってしまいました。そんな腐っていた私にもしっかりと叱っていただきありがとうございました。そして、自分が監督から長時間叱られたことによって、遠い遠征先から帰るのが遅くなって部員に迷惑をかけたことも謝りたいです。学生生活のケジメとしてしっかり反省します。

こんな充実した学生生活を送れたのも家族のおかげです。

父へ。
父の影響でバレーボールを始めて、慶應義塾という組織に入れたこと、改めて感謝しています。バレーボール以外でも最高の友達に出会えました。バレーボールという競技を通じて、たくさん父と語り合えた思い出は一生の宝物です。令和にはそぐわない昔のしきたりのようなものもたくさん教えてもらいましたが、そのおかげでここまで成長できたと思います。早稲田に勝てなかったのは本当に悔しかったです。これからも慶應義塾体育会バレーボール部のOBとして打倒早稲田に燃えましょう。

母へ。
1番側で支えてくれてありがとうございました。家では疲れ切って適当な態度をとっていましたが、そこも理解してくれていたことに感謝しています。朝早くから送迎やお弁当を作ってくれていたりと、もはや私はよりもハードな生活を送っていたと思います。本当にありがとう。

ここでは語り尽くせないほどの感謝があります。本当にありがとうございました。これから社会人になって恩を返していきたいと思います。

三田バレーボールクラブ関係者へ。
私が生まれた頃から私のことを知っている方もいると思います。大学バレー部に入部した時に、「え!あんなに小さかった細野くんがこんなにも大きくなったのね」と驚かれたのがすごく鮮明に記憶に残っています。上原会長、今泉理事長には主務としてたくさんご迷惑をおかけいたしました。こんな私を支えてくださりありがとうございました。次の山木主務(文3)はしっかりしているので心配ございません。(先輩の教育が良かったのかもしれませんが、、)

後輩たちへ。
それぞれに語りたいことがあまりにも多すぎて膨大な量となってしまうので割愛させていただきます。この前渡したメッセージカードにも書ききれないほどの想いがあります。私はただ引退しただけで、いなくなってしまうわけではないので、時間がある時にご飯でも行きましょう。

山木へ。
副務として1年間付き合ってくれてありがとう。練習後に手を洗うという謎の文化は非常に楽しかったですね。最後の方はマイケルも参加して人数が増えたことがとても嬉しかったです。今では航大(林・商2)と2人でやっていますか??ぜひ継承してくださいね。主務としての1年間は実際にやってみないと大変さが分からないと思います。大変な仕事というよりかは、チームにとって欠かせない名誉ある役職だと思って頑張ってください。柊なら余裕だと思います。時には一緒に飲みに行きましょう。

歩奈(経4)へ。
スタッフとして3年間ありがとう。ここで色々なことを書くと私の悪事が文面として証拠に残ってしまう恐れがあるのでここでは書きませんが、とても楽しい3年間でした。最上級生ではないのに素晴らしい渉外主務を務めてくれたと思います。これからは後輩のこともリードしていってください。そして日吉で行う早慶戦は大変だと思うけど、楽しんで運営頑張ってください。

航大・莉子(渡邉・文1)・未来の主務候補へ。
柊と歩奈という素晴らしい先輩方から多くのことを学んで最高のバレー部になるよう導いていってください。ただ仕事をするだけが役割じゃないと思うので、チームの中でどうやって自分の色を出していくのかを模索しながら成長していってください。

同期へ。
大昭(渡邊・商4)・陽大(田鹿・法4)・まさ(山本・文4)は塾高1年の時からお世話になりました。大昭とは西のコンビが一番の思い出です。ダメダメなトスだったにも関わらず打ち切ってくれてありがとう。陽大とは遠征先でお城巡りをしたのが楽しかったです。バレーボールに対して計り知れないほどの情熱を持っていてとても尊敬していました。まさとは高校時代にお家に遊びに行かせていただいたのが記憶に残っています。私は動物が苦手なのに、私と犬を部屋に置いてまさがどこかに行ってしまった時は本当に怒りそうでした笑。学連としてバレー部を支えてくれてありがとう。祐介(芳賀・環4)はチームの主軸として非常に頼りにしていました。周りのプレーに対して厳しく声かける姿勢は、チームをより良くしようとしていると感じてとても尊敬していました。これからも同じ組織でよろしく。克弥(内田・環4)はとにかくバレーに対して真面目で努力家でとても尊敬していました。バレーが大好きなんだなと感じていたし、その努力もあって活躍していて最高にカッコよかったです。

塾高同期へ。
早慶戦や全日本インカレなど、応援にきてくれてありがとう。みんなで集まってバレーしたり飲みに行きましょう。

最後に、自分へ。
10年間バレーボールお疲れ様でした。あまりにトスが下手でとにかく自分のプレーが嫌いでしたね。これからは新しいフィールドで頑張ってください。

4年間お世話になりました。これからも未熟な細野一真をどうかよろしくお願いいたします。
乱文失礼いたしました。

“早稲田を倒したかった。” への1件のコメント

  1. 大昭叔父 より:

    細野さん、学生時代の友人は大切にしてください。私も現在、大学時代の友人と楽しく仕事をしています。秘訣は『親しき中にも礼儀あり』かもしれません😁

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