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Details matter

文学部4年  山本 昌岳

日頃より大変お世話になっております。
文学部4年、関東学連の山本です。

10月に入ったにも関わらず、30℃を超えるような暑い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は先日鑑賞いたしました『ラストマイル』という映画にて、私が感じたことを綴らせていただこうと思います。大ヒット上映中の作品ですので、既にご覧になられた方や、これから観に行かれるおつもりの方もいらっしゃるかと存じます。物語の根幹に関わるネタバレはいたしませんので、その点はご安心くださいませ。

まずは『ラストマイル』の感想を述べる前に、本作品の簡単なあらすじを説明いたします。時代設定は2023年。現実で言うところのAmazonや楽天のような、巨大ネットショッピングサービス「DAILY FAST」が人々の生活に遍く行き届いて、欲しい商品はインターネットですぐに購入ができ、即日あるいは翌日には荷物が届くような便利な世の中が実現された究極の消費社会という設定です。しかしながら、このような消費者にとって便利で快適な社会の裏側では、お客様の快適な暮らしのために少しの稼働率を落とすことも許されない「DAILY FAST」のマネージャーと、低賃金且つ長時間労働という極めて過酷な条件で稼働している物流業界が負担を強いられているという大きな問題も孕んでおり、それらのストレスに端を発して事件が発生していくという筋書きです。ここまでが簡単なあらすじとなりますので、この時点でご興味を持たれた方はぜひ劇場でご覧ください。

さて、ここからが本題となりますが、作品中で「DAILY FAST」の社員が仕事に取り組む際に肝に銘じているポリシーがいくつか登場するのですが、その中でもとりわけ印象に残った下記の3つを紹介させていただこうと思います。
・Details matter
・Responsibility
・No limit

まず、Details matter-細部にこだわる
これは言葉にすることは非常に簡単ですが、実際に徹底することは非常に難しいことであるように最近ひしひしと感じております。ただパッと細部にこだわるという言葉を聞くと、どうしても意識を高く保って隅々まで注意を巡らせましょう。というような精神論的なイメージが付随してしまう気がするのですが、私が感じ取っている難しさは若干異なるものでして、こだわるべき細部について理解をすることの難しさ、という風に言えばニュアンスは伝わるでしょうか。
学連委員として仕事をする上で往々にしてあることで、私自身でこだわれるだけこだわって仕上げたつもりの仕事に、思いもよらないミスや落ち度が後から見つかることが多々あります。これはしばしば、注意力が散漫だったことによるケアレスミスではなく、そもそもネックになるポテンシャルがあるという批判的な視点を持ち合わせていないことが原因で発生します。つまり自身ではどれだけこだわったつもりでいても、持ち合わせている引き出しが充分に揃っていないのであれば良い仕事はできないということです。従って考えるに、細部にこだわることには、それ以前に全体像から細部までよく理解をすることが前提となっている気がしております。この前提を飛ばしてしまうと、こだわっているつもりのその熱量が無駄になるどころか、結果的にその熱量が足を引っ張りかねないので難しいなと感じています。

次に、Responsibility-責任
責任、あるいは責任感が重要であることは言わずもがなですが、一度ここで立ち止まって責任感が強い人とはどのような人を指すのか改めて考えてみたいと思います。責任感が強い人と言われると、ハードワークしているような人物像を最初に思い描く方が多いかと思います。では、何でもかんでも自分1人で頑張ってしまう人は責任感があると言えるでしょうか。答えは人それぞれだとは思いますが、私的にはNoです。一人で抱え込むということは、不足の事態で自分が稼働できなくなった場合のリスクヘッジを無視した行為であり、総体的に評価すると無責任と言わざるを得ないと思います。こう考えると、責任という概念は思いのほか定義が難しいことに気付かされます。
私なりに考えた結果、責任とは設定した目標やゴールに向かうために有効で、且つ不可欠な一つのガソリンのようなものであるという風に考えるようになりました。個人・組織・チームなど単位は違えど、何かしら叶えたい目標があってそこには様々な人の様々な想いがベットされているのだと思います。その目標の実現から逃げないようにするために、責任という概念があるのではないでしょうか。ただ熱い想いだけで頑張ろうとしても苦しくて投げ出したくなるような瞬間は必ず来ると思います。そういう瞬間に踏ん張るために、責任というエネルギーが有効に作用してくれているという風に思います。

最後に、No limit-限界は自分で決める
直訳をするなら、無際限や限界はないという日本語が適切なのでしょうが、作中の表現をなぞらえて限界は自分で決めるという風にいたしました。これは誰よりも自分が自分に対して厳しい存在であるべきである、というような意味合いだという風に思われます。これは前者二つと比べて非常にシンプルで、とにかく自分を甘やかさないということに尽きるのだと思います。

仕事に取り組む上で心に刻んでいることというのは人や組織によって十人十色なのでしょうが、私はこの『ラストマイル』を観てとても大事なことに気付かされたような気がしておりますし、この三つを体現できるような働きを引退まで心がけると誓いたいと思います。

結びになりますが、本塾バレー部は現在秋季リーグ戦を戦っている最中でございます。多くは何も言いませんが、私は私の同期を何より信頼しておりますし、私にできることに全力を尽くします。どうか少しでも多くチーム渡邊にご声援を送っていただけますと幸いです。
それでは、どうかご自愛ください。

“Details matter” への1件のコメント

  1. 大昭叔父 より:

    山本さん、素晴らしい映画に出合いましたね。3つの事を私なりにまとめてみるとさしずめ❝繊細かつ大胆に自信(責任)をもって諦めない(限界を自分で決めない)❞という事でしょうか。

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