日頃より大変お世話になっております。文学部3年、学連委員の山本です。
肌寒い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は寒さに負けずに、体調を崩すこともなく元気にバリバリ働いております!
まず初めに、この場をお借りして、この度2024年の学連委員長を拝命いたしましたことをご報告させていただきたく存じます。この名誉ある役職を任せて頂けたことはひとえに、私に対して自由に働ける環境を与えてくれた、チームの仲間や星谷監督をはじめとした塾バレー部関係者の皆様、また学連の仲間たちや関連団体の皆様、そして連日夜遅くに帰宅しても夜ご飯を用意してくれている母親など、多くの方の支えあってこそであると承知しております。支えてくださっている全ての皆様に改めて感謝するとともに、残された1年間に全力を注ぐことで
、少しでも感謝の気持ちを形にできればと思います。委員長になることは、学連委員として塾バレー部に入部する決意を決めた当初から掲げていた目標でありましたので、ひとまずは率直に嬉しい気持ちでいっぱいです。しかし同時に、就任してからがスタートラインでもありますので、ここから私にとっての学連委員としての本番が始まるとも言えます。どうかご指導のほどよろしくお願いします。
さて、前置きは終わりとして、今回のテーマは「私、失敗しないので」。
ふざけたタイトルだなと思われたかもしれませんが、よろしければ少々お付き合いください。
ご存知の方もおられると思いますが、これはテレビドラマ『ドクターX』の主人公、大門未知子の決め台詞でありドラマを通じてのキャッチコピーでございます。生粋のドラマ好きである私の母親(奇しくも名前がミチコ)の影響で幼少期から一緒にテレビドラマを見て育った私は、頭を使いこんで脳が乾いた後はガムシロップをコップにいれて一気に飲み干すほどにドクターXが好きなのですが、見たことない方の為にもまずは簡単にストーリをご説明いたします。
主人公の大門未知子はフリーランスの女外科医であり、誰もが無理難題と思うようなオペを天才的な技術で絶対に成功させてしまう天才医師という設定です。群れや権威というものを嫌っていて、病院内の権力争いや出世、他者からの評価というものには一切興味を示さずに、目の前の患者の命を救うことだけを見つめています。そのため患者の命よりも病院と自らの金儲けや権威を優先に考えている、あくどい教授や病院長などの思惑と反発してしまう、というのがストーリーの大筋です。彼女が働く病院は日本で最も権威のある大学病院であり、難病を患った政治家やアーティストなどの有名人が次々と入院してきます。大門はそんな彼らに対して、有名人としてではなく1人の患者として真摯に全力で向き合い、難しいオペに挑戦しようとしますが、有名人の治療に失敗して病院の権威と名声を落とすことを恐れる教授たちはそんな大門を阻止しようとする、そういうシーンでこの決め台詞「私、失敗しないので」が放たれるのです。
以上が、簡単なストーリーの筋書きになります。Netflixで全シリーズ視聴可能ですので、興味が湧いた方はぜひご覧になってください。さて、ここから本題に入りますが、とある回のクライマックスで、なぜ大門未知子が絶対に失敗をしないのか、その理由が明らかにされます。以下、本編の台詞抜粋。(一部省略)
「川の水が流れるように基本主義を反復し、起こりうる全てのケースを予測して、完璧な準備をする。それが大門未知子が失敗しない理由です。」
このシーンでは表紙に8225とだけ書かれたキャンパスノートが出てきまして、開くと中には手術に関するメモがびっっっしりと書き込まれているのです。つまり、彼女はどんな病気であろうが、これまで自らが執刀したすべてオペにおいて欠かすことなく完璧の準備をしており、その結果彼女の手術ノートは既に8000冊を超えていたということなのです。しばしば作中で凡庸な他の外科医は、彼女のことを天才的なセンスや超人的な技術の持ち主と評価してしまうのですが、彼女を失敗しない医者たらしめているのはなによりも、周到で丁寧で完璧な準備に他ならなかったということが、ここで明らかにされたのです。私はこの回を見た時に感動をしたことを今でも鮮明に覚えておりますし、私に対して非常に大きな影響を与えてくれています。
私は高校時代、バレーボールにおいて誰かより秀でた才能など一つもありませんでした。1年次ではバレーの経験は浅く、技術も知識も並程度、フィジカル的な部分はむしろ下の下、心技体のどれをとってもおよそ神奈川屈指の強豪校の一員と胸を張れるレベルではありませんでした。その中で運よくセッターのレギュラーとしてのチャンスが回ってきて最初に取り組んだことは、徹底的なオープントスの反復練習でした。自分がどんな状態だろうが、まず絶対にダブルコンタクトをしないこと。その次に、味方が拾ったボールを丁寧に、絶対にスパイカーに届けること。これが私にとってはセッターというポジションのドグマでしたし、今でもそう考えております。クイックや平行はおろか、ジャンプトスもせずにひたすらオープントスの訓練をし続け、次第にオープントスへの絶対的な自信が身につくようになりました。その後ジャンプトスに挑戦し、クイックに挑戦し、複雑なコンビに挑戦し、その度に立ち行かなくなりかけましたが、最も根幹の部分には絶対に揺るがない自信を持てるモノがあったので、なんとか食らいついていけました。高校時代の自分に問えばきっと「私、失敗しないので」と、言い放っていたことでしょう。
学連の仕事でも同様ですし、むしろ仕事においてことのほか強く意識しています。大門未知子にとって患者は絶対に失敗できない相手であるのと同じように、学連にとって大会運営は絶対に失敗してはいけない相手です。たった1日試合をする為に、私は必ず可能な限りあらゆるところに目を配り、先手で危険且つ不安定な要素を一つ一つ潰した上で当日を迎えるようにしますし、その上でイレギュラーが発生するポテンシャルがあるところは、後手の対応で必ず鎮火できるように想定と準備をします。そういう準備が完璧に行えた時、川の水か流れるように試合が進んでいくのです。
私個人としても学連という組織としてもまだまだ未熟ですので、川の水が流れるような日ばかりではないですが、引退するまでに完璧な仕事をできる領域に達したいものです。
私の学連委員としての最終目標は「私、失敗しないので」。冒頭でも述べましたが、残された1年間に全力を注いで、学連の大門未知子になれるように精進いたします。
最後になりましたが、昨年に引き続き今年度も塾バレー部の活躍には、皆様の応援が必要不可欠でございます。主将の渡邊(商3)は応援すればするほど活躍するような、まっすぐで分かりやすいやつです。今年1年間、チーム渡邊へのご声援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
長々と乱文失礼いたしました。
ご精読頂いた方、ありがとうございました。
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