男子

卒業生現役交流会の御礼と2023年の振り返り

  星谷 健太朗

絶好調です!星谷健太朗です。

先週(12月10日)の卒業生現役交流会・懇親会では、師走の日曜日にもかかわらず、80名近くの卒業生が日吉にお集まりくださいました。新・記念館のお披露目も兼ねた交流会では、発起人・三ツ井のアイデアが光り、10代から60代のバレーボーラーが同じコートでプレーして大いに盛り上がりました。バレーボールを通じて多くの方と繋がっていること、応援していただいていることを実感でき、私にとっても大変素晴らしい一日となりました。ご多忙のところ足を運んでくださった皆様、開催に向けてご尽力くださった皆様に心より感謝申し上げます。

さて、先日(12月12日)の納会でバレーボール部の一年が締めくくられ、男子チームは島田主将をはじめとする4年生8名を送り出しました。ペナントを片手に写真撮影に応じる4年生の顔は「やりきった」と書いてあるようで、充足感に満ち溢れていました。彼らと活動を共にできたこと、心から幸せに思います。納会と同時に新しいチームも始動し、一年の余韻に浸ってばかりはいられませんが、3つのキーワードでこの一年を振り返ります。

【変化】

1部の強豪と渡り合うため、全日本インカレ最後の最後までチームの最善の形を追究し、変化に富む一年となりました。

・これまでずっとOPとして活躍していた松本のMBへのコンバート(最後はOPをやりたがっていましたが、チームのためにMBをやり抜いてくれました)

・内田のリベロからサイドへの再コンバート(振り回して申し訳ない。嫌な顔一つせず役割を全うしてくれてありがとう)

・立川率いるアナリスト陣と議論を尽くして決めたローテーション変更(春リーグはOPのポジションに入っていた渡邊をOHへ変更しました)

・コロナ禍で失われた声援を取り戻した西山の太鼓での応援指導(全日本インカレでは応援席で太鼓を叩きながら応援団を先導し、チームへ大きな力を与えてくれました)

などなど、挙げればキリがありません。変化することは簡単ではなく、相当な努力・覚悟・勇気を必要とします。私たちの生きるVUCAワールドでは、変化を恐れずいち早く環境に適応することが求められますが、今季のチームはそれを体現していたと感じます。

【運】

入替戦は決まっていながら最終順位は確定しないまま(11位であれば入替戦の対戦相手は2部2位の亜細亜大学・12位であれば2部1位の法政大学)、2勝8敗で迎えた秋リーグ最終日。我々が明治大学と戦う隣のコートでは、東京学芸大学(全11試合中10試合終了時点で2勝8敗)と駒澤大学(同1勝9敗)が戦っており、フルセットに及ぶ激戦を繰り広げました。この試合で東京学芸大学が勝利したことで、慶應義塾は1部11位という結果になり、2部2位の亜細亜大学との入替戦が決まりました。全日本で大注目の高橋慶帆選手率いる、2部全勝優勝で勢いのある法政大学との試合を回避することができたのは幸運でした。

それから入替戦5セット目終盤、渡邊の渾身のスパイクが相手ブロックに阻まれて勢いよくこちらのコートに落ち同点に追いつかれそうな場面での、リベロ山元による奇跡的なブロックフォローもまさに幸運によるファインプレーであったと思っています。

また、そもそも選手が怪我をしたのは運が悪いのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそう考えません。セッター大槻の怪我は、秋リーグ開幕前であったためリーグ後半には復帰できましたし、代わりに久保田や細野が頑張ってくれました。またリーグ中盤の山口の怪我も、本人は悔しかったでしょうが、内田や入来の成長の機会になりました。そして何よりこの困難を全員で乗り越えたことで、結果的にチームのレベルが大きく高まりました。

「チャンスの神様は前髪しかない」と言われるように、日頃の努力、人に見えないところでの陰の努力を積み重ねた者だけがここぞというときに運を引き寄せられるように感じます。この一年チームの運が良かったと感じられるのは、皆の努力が実を結んだからでしょう。

【本気】

目の前の一戦一戦を必死に戦ってきましたが、特に「本気」で戦うことが出来た試合として思い出すのは早慶戦、秋リーグ日大戦、入替戦、全日本インカレの1・2・3回戦です。あなたたちの本気の姿は、観る人の心を震わせました。私も心を突き動かされたひとりです。

全日本インカレ1回戦(愛知大学戦)のあと、早稲田大学の中国人留学生が私や選手のもとに来て激励の言葉を掛けてくれました。彼は7月の早慶戦を観戦したそうですが、早稲田大学を応援しながら、私たち慶應の本気でバレーボールを楽しむ姿に胸を打たれ、好きになり、応援していると話してくれました。

「日吉記念館までお越しいただいた皆様や、日頃よりご支援いただいている皆様へ感謝を伝えたい」「大学バレーを夢見る学生達の憧れになりたい」「何かに打ち込んでいる人達をモチベートしたい」「一歩踏み出せていない人の背中を押したい」

早慶戦の運営の指揮を執った今田主務のこの言葉通り、私たちはバレーボールを通じて観てくださる方の心を動かしたのです。これほどバレーボーラー冥利に尽きることはありません。

4年生は、大学生活で果敢に挑戦し変化し続けたように卒業後も現状に満足せず変化し、ここぞというときには本気を出し、自らの努力で運やご縁を手繰り寄せて人生を切り拓いてください。そしてたまの休日には、記念館にも顔を出して近況を聞かせてください。

最後になりましたが、私たちの一年間を支えてくださいました和田部長、上原会長、三田バレーボールクラブの皆様、ご家族の皆様、応援してくださるファンの皆様にチームを代表して心より御礼申し上げます。

来年も変わらぬご声援のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

慶應義塾体育会バレーボール部男子 監督 星谷健太朗

 

追伸

厳さん(渉外主務)、皆の活動日誌のように沢山更新できずごめんなさい・・・

“卒業生現役交流会の御礼と2023年の振り返り” への2件のフィードバック

  1. 日原一昭 より:

    指導者としての言葉嬉しく拝見しました 素晴らしいチームでした 拝読しながら次々と言葉が浮かんできました「勝ちに不思議な勝ちあり負けに不思議な負けなし」 有名な言葉ですね 見ている人達に共感・感動・感謝の感情移入が出来たことは素晴らしい体験でした インカレの1回戦が凄い山場でしたね 素晴らしい勝利です
    部生活を通じ骨太の骨格が必ずできます 今は意識できなくても社会人になれば取り組み姿勢がいつのまにか周囲から際立ってくることでしょう 
    私達には塾の4つの人材教育方針を福沢先生から明示されています 培った基礎力を持って大成されんことを祈念しています
    私もこの歳になって始めて独立自尊から始まる指針に気づいた次第です 今後ともどうかよろしくご指導ください

    昭和33年卒 日原一昭

    • 星谷健太朗 より:

      日原先輩、コメントくださりありがとうございます。私も知らず知らずに塾の文化が自分に染み付いていたのだと感じることがあります。ただ指導者としては、知らず知らずではなく、その文化が何かを明確に意識し、学生の活動に盛り込むことが重要であると思っています。
      また、世の中は変化しますが、大事にしなければならない本質は変わらず、その本質のいくつかが福沢先生の教えであると思いますので、先生の教えを大切に、引き続き学生達と共に私自身も精進します。

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