武田 寛 先輩からのお便り

武田 寛 先輩からのお便り 
S25年経済学部卒業。
S23年秋、1部リーグ優勝、S24年早慶定期戦初勝利などで黄金時代の基礎を築く。
卒業後、鐘紡淀川女子の監督や東西対抗西軍女子コーチを務め男子全鐘紡でも全日本3位の座を獲得。また国際試合では近畿代表でインドと対戦する
リタイアー後は英会話、ワープロ、パソコン、旅行などに励み、精力的に生活しています。
よく言えば、チャレンジ精神旺盛、悪く言えば物好きな自由生活。でも今は塾バレー部の改革、再建に最後の情熱を注いでいます。
 

「文武両道を目指して」

1.塾バレー部の再建を願って
2月、監督が関西に来られた時、『知らないところに行って、何かを見、何かを感じてくれれば良い』と思ってアメリカへ連れて行ったという話を聞きました。私も1年に1回のペースで外国に行ってますが,たとえ、物見遊山であっても、空港で他国の土を踏んだ時、何時も新鮮な気分、常とは違う何かを肌で感じます。
松平監督も全日本の選手を、北海道では名馬を。外国では名画を見せて、一流とは何か、優れたものはどこが違うか、を感得させたと聞いています。そこから何を学ぶか、何にも考えないか。ここが一流と、平凡との分かれ目です。今までと違う何か、それから何を変えようとするか、何が変わるか。これからが正念場ですね。
文武両道。古臭いが、懐かしい言葉です。単に、学業もバレーもということだけでなく,塾生としての誇り、そして社会人の良識をしっかり身につけて、その日に備えて下さい。先日申し上げたと思いますが、不惜身命の精神、そして勿論福沢先生の独立自尊の教えもこれに通ずるものと思います。推薦制がないから強くなれないなど、塾の精神、体育会の精神に大きく反するものです。他人を頼まず、自らを恃んで精進すれば、それは実績の向上につながり、周囲を、高校生を動かし、選手は塾バレー部を慕って自ずと集まってくるでしょう。推薦制は後からついて来るものです。
塾バレー部再建の鍵は部員諸君が握っている。私たちはあくまでサポーターだと思っています。改めて部員の奮起を期待します。
2.サポーター募集
私はこの春、日吉で練習を見せていただいた。皆、一生懸命練習しているようだったが、私には4部か5部並みの練習に見えた。因みに、この日は4部と5部の大学が練習に来ていて、調子を相手に合わせてしまったようだ。その後、リーグ戦に入り都度、監督から詳細な報告を受けているが、相手が強ければそれなりに対応しているのに、相手が弱いと見るとそれなりのゲームをしているように見えます。一生懸命にも3部並みの一生懸命もあれば、2部並み、1部並み、そして日本代表並みの一生懸命があると思います。貴乃花のように、相撲人生を懸けた”不惜身命”の一生懸命もあります。

私が鐘紡に入った年、工場の男子teamを率いて、初めて全国大会に出場しました。その時初めて一流teamのhardな練習を見た中卒の選手が”一流のteamはこんな凄い練習をするのか”と目を丸くし、その日の練習から従来の倍以上のhardな練習に取り組むようになり、それ以後、鐘紡の男子も全国大会の常連になりました。
ところで、ある時私はある人から「いま何部あるかご存知ですか」と聞かれたことがあります。当時塾は5部だったと思いますが、当時13部くらいまであり、つまり「上を見れば、4部あるが、下を見れば8部あります。少しは、ほめてやって下さい」というのです。正直言って、この一言が私の目を覚ましてくれました。学校の成績なら、それも良いでしょうがスポーツの世界では、それは許されません。でも ”今、5部に低迷しているのは我々にも責任がある。”と悟りました。昔の先輩は負ければ勿論,勝っても勝ち方が悪ければ我々を叱咤した。我々は反発しそして勝ち、やがて天皇杯を獲った。今、我々は後輩に何をしてやっているだろうか。少なくとも私は陰で悲憤慷慨するものの、直接、ものを言うでなく、はっきり言って、無関心で今更、後輩に文句をいう資格はないと思い知りました。でも、この一言をきっかけに私は今、昔の先輩に倣って後輩を叱咤激励しています。
金は出すが口は出さないというOBも多いと思います。言う余地がなく、頂点を極めている時はそれで良いでしょう。でも天皇杯を獲り、学生界の王者であり続けた頃、OBが口を挟む余地がなくなり、物言わぬ先輩が増えた結果が、今日の低迷を招いた先例があります。鬼になって現役に物を言うと言ったら、ある先輩からたしなめられた。日ごろ、仏と思われている人が怒って初めて鬼になれるのだと。そうかも知れないが、私は仏と言われる人が鬼になった例を余り知らない。私は仏になれそうもないが、鬼にはなれそうな気がする。一緒に鬼になる人いませんか。今の現役には私たちの叱咤激励を受け止めてくれる余地があるように見ています。天皇杯とは言いませんが、当面2部に上がれるよう一緒にサポーターを努めましょうよ。
武田先輩へのご意見・ご感想はこちら