【Coaches’ Board】ゲーリー・サトウ

ラグビーに負けないくらい男子バレーボールも強くなりましたね。私は練習の関係で全試合は観られていないのですが、数試合TV中継を観ていて技術の進化を感じていました。今回日本のバックアタック、特に中央からの「ビック」の速さ、安定感、決定率がすこぶる良く、多くの場面でパワープレー(ブロック3人に対して4人以上の数的優位な攻撃態勢)のケースを作っていました。皆さまご存じの通り、縦の極めて速いテンポの時間差攻撃ですのでピンポイントに上げられるセッターの技術、信じて跳び込み、ブロックを感じて無い方向へ一瞬で判断し打つスパイカーの反射神経、技術は完成度の高いものでした。しかもスローで再生されると、レセプションや膝を着いたdigから素早くビックに助走し、常に4枚攻撃の態勢を作っていたので選手の意識の高さ、フィジカル、動きに驚きました。さらには、フローターサーブを受けるレセプションの体系では、バックセンターにいる石川選手に出来るだけ取らせないように、福澤選手とリベロの山本選手で狭く挟み込み、福澤選手か山本選手が取る動きをした瞬間に石川選手はビックの助走に入っていました。もちろん福澤選手も自分でパスを出した瞬間にレフト平行へ助走をし始め、この4枚攻撃がリンクして見えるので相手のブロッカーは翻弄されていました。しかし、このような技術が進むと当然対策が取られます。相手がスパイクサーブの時にはどうしても3枚のレセプションの位置が下がり、選手のポジショニングも等間隔になりがちです。そのように「強いスパイクサーブを打つぞ」と見せかけ、下がらせ等間隔になった石川選手の2m程度前に「チョロっと=前チョロ」軽打のサーブを打つことで石川選手のビックを潰し、前衛3枚もしくは前衛2枚+ライトバックアタックの計3枚に攻撃を減らし、ブロック3、攻撃3の形で仕留めに行きます。その意図があったかどうかは別ですが、「前チョロ」サーブで何本もサービスエースが生まれていました。(西田選手のようなビッグサーブも見応えありますが、前チョロも駆け引きでは有効ですね)少し解説話がくどくなりましたが、今回の日本チームのビックを観ていて、南部監督の前に1年間だけ招聘したゲーリー・サトウ監督を思い出しました。私の記憶が正しければ、ゲーリー就任直後にこれからはパイプ攻撃(ビックより少し遅い中央からのバックアタック)より速いビックが重要になると日本代表選手に説いていたと思います。残念ながら、外国人監督は時期尚早などと、なんだか良く分からない理由で解任されましたが数年後の日本はそれを武器に戦っています。(結局、今も実質的には外国人だけどね)話題を少し戻し、今回のワールドカップの対戦国がベストメンバーでは無かった国もいくつかあったようですが、それを差し引いても日本の男子バレーは観ていて強かったし、リベロの山本選手中心に良く拾って繋ぎ打ちまくって面白かったですね。良くも外国の選手が打つ近距離の強打を逃げずに拾っていました。(素晴らしい)そしてそのほとんどが目でボールを追うなんてことはなく、とにかくボールに飛び込んでいました。彼ら日本代表選手たちのバレーボールに対する目的が強い意志と意欲としてあの守備に出ているのだと感動すら覚えました。本当に良いお手本です。柳田選手もスタメンだろうが、バックアップのピンチサーバー要員だろうが自分の役割に徹していてマサにプロです。それに後半大活躍してくれて本当に嬉しかったですね。柳田選手の活躍を観ながら飲むワインは格別でしたよ。

来年のオリンピックが楽しみです。